2013 Fiscal Year Research-status Report
非営利組織経営におけるステークホルダー・マネジメント・モデルの構築
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25590087
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
島岡 未来子 早稲田大学, 商学学術院, 助手 (10614612)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 ヨーロッパ / 国際情報交換 アジア太平洋地域 / 国際情報交換 日本 / 国際情報交換 米国 / 国際情報交換 中国 |
Research Abstract |
本研究について次の4学会で発表し、国内外の研究者から多様なインプットを得た。 1) "Exploring the Effect of Stakeholder Management Capability on Performance in Non-profit Organizations",2013年10月,8th ISTR Asia Pacific Regional Conference, Kim Koo Museum and Library, Seoul, Korea 2) "Exploring the Impact of Stakeholder Management Capability: Improve Performance in Non-profit Organizations and Governance?",2013年9月,The 3rd International Conference on Government Performance Management and Leadership, Waseda University, Tokyo 3)"Exploring Stakeholder Management in Nonprofit Organizations"2013年6月, European Institute for Advanced Studies in Management (EIASM) 9th Workshop on the Challenges of Managing the Third Sector, Lund University, Sweden 4)非営利組織経営におけるステークホルダー理論の構築―「SMCモデル」の構築とNPO法人を対象とした実証研究結果―, 2013年6月, 日本公共政策学会2013年度第17回研究大会、コラッセ福島
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
まず、本研究の基本的な理論的モデルとなる「ステークホルダー・マネジメントの組織能力」にかかる独自モデル(以下「本モデル」)について、 国内外で一連の学会発表を行い、多くのインプットをいただいた。本モデルそのものに関しては関心が高かった。 次に、本モデルと連結する組織パフォーマンスにかかる理論形成を試みた。当初はバランスト・スコア・カードと戦略マップの手法を非営利組織向けてに改定しモデルに連結した理論枠組みを作成した。そして、国際学会The 3rd International Conference on Government Performance Management and Leadership, においてはステークホルダーを包括したガバナンスの視点から、そして、8thISTR Asia Pacific Regional Conferenceにおいて発表を行った。しかしながら、特にISTRにおいて本モデルとのリンクが脆弱であるとの指摘をいただいた。 本モデルはオープンな社会環境の中で活動している非営利組織においては、広範なステークホルダーの包摂が求められることを前提としている。したがってその業績測定は組織間のインタラクティブな関係を含んだものにする必要がある。しかしこの点を加味した非営利組織経営の先行研究は十分な蓄積がなされていない。本研究は非営利組織研究では新しいイシューへのチャレンジであり、関連が深い先行文献が少ない。そのため理論フレームワーク構築に予想より時間がかかっていることが遅れの原因である。
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Strategy for Future Research Activity |
[研究ドメインを拡大した先行研究の検討による理論枠組み構築]研究ドメインを拡大し、組織間関係論、協働ガバナンス、ネットワークガバナンス等の先行研究を検討する。例えばステークホルダー間の相互対話により創出される業績マネジメント・システムは、DDAE(Dialogue, Decision, Action, Evaluation)のサイクルにより独自の業績評価基準が設定される(Koliba, Meek, and Zia:2011)。このシステムは広範なステークホルダーとの相互作用を前提とする非営利組織の業績評価への適用可能性が高いと考えられる。本年度前半は、これらの業績評価にかかる複数分野の先行研究を検討し理論枠組みを構築したい。理論枠組みについては、国内外の学会、たとえば7月のISTR世界大会(於:ミュンスター)における研究者との議論、非営利法人研究学会NPO学会等の関連学会の中で発表することを通じて精緻化したい。その結果により理論研究として関連ジャーナルへの投稿を検討する。 [実証研究] 年度の後半には構築した理論枠組みを用いた事例研究を行う。事例研究については現在複数の候補がある。第1に本モデルを用いたアンケート結果(2011年)においてステークホルダー・マネジメント能力が高かった団体である。第2に海外の先進事例として米国ポートランドあるいはマルチステークホルダープロセスを推進するドイツの非営利組織である。第3に理論枠組みを実践で活用するアクションリサーチ手法を用いてモデルの有効性を検討するというものである。この対象としては申請者がネットワークを有する国内の複数の中間支援組織が可能である。これらの候補のうちどらが最も適切かを検討し、実証研究を行う。 [研究結果の発表]研究結果については、関連ジャーナルへの投稿を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
理論枠組み構築が予定より遅れたため、実証研究の一部を行うために計上していた予算を次年度に繰り越した。 次年度に実証研究をまとめて実施する。
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