2014 Fiscal Year Research-status Report
創造性とテイストに焦点を当てた消費者行動モデルの研究
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25590097
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
水野 誠 明治大学, 商学部, 教授 (10361304)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 創造性 / テイスト / 美的製品 / 社会ネットワーク / 社会的相互作用 / エージェントベースモデル / 消費者行動 / マーケティング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高付加価値をもたらす創造的・美的な製品・サービスが成功するには、作り手と買い手の間でテイストが共有されること、その際、両者の間の社会的相互作用が重要な役割を果たすことを仮説として掲げ、その検証を目指している。既存研究のレビューを進め、最近の市場動向を観察したり業界関係者と議論したりし、調査準備の検討を進めるにつれ、当初の計画を若干再考し、新たな調査方法を考えている。すなわち、作り手と買い手の二層を分けて考えるというより、それらを含むネットワークを把握すべく、より規模の大きな質問紙調査を行い、そこで創造性や美へのテイストがいかに人々の社会ネットワーク形成の一翼を担っているかを調べることである。 こうした観点から、社会ネットワーク分析で用いられている調査手法を、ブランドや製品への選好に拡張することを検討している。それによって、親しい友人や家族とどのようなブランド・製品を共有しているかに基づく,ある種のネットワークの性質を理解できる。 一方、そのようなテイストをベースにした社会ネットワークからは、ブランド・製品の普及や流行に関して独自のダイナミクスが生じる可能性がある。それについては、創造的・美的製品の典型としてのファッションに注目し、長期に及ぶデータから普及曲線やサイクルなど動的パタンを発見する作業を進めている。そこから何らかの規則性が見出された場合、それを再現するエージェントベース・モデルの開発が次の課題となるので、そのためのモデルの構想も進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画と異なり、比較的大規模な調査を集中的に行うことを考えており、2016年度に調査を集中させることになった。
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Strategy for Future Research Activity |
第一にクリエイティブクラスといわれるような職業群に近い人々に対して社会ネットワーク分析における手法を拡張した調査を行い、ついで一般の消費者に対してそれを展開する。そこから、創造的・美的性質を持ったブランド・製品へのテイストが埋め込まれたネットワークの性質を把握する。第二に、長期のファッションデータの分析をさらに進め、規則性を見出すとともに、最初に上げた社内ネットワークの性質見含め観察事項を再現するエージェントベース・モデルを構築する。
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Causes of Carryover |
予定されていた調査を翌年に延期したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
クリエイティブクラス及ぶ一般消費者に対するウェブ調査を実施するのに用いる。
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