2014 Fiscal Year Research-status Report
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25590101
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
冨田 健司 同志社大学, 商学部, 教授 (40329149)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 知識 / マーケティング / 製薬産業 |
Outline of Annual Research Achievements |
2013年度に導き出した知識マーケティングモデルの4つのプロセスのうち、2014年度はアイデア創出と知識融合に関して、それぞれ論文を作成したものを学会誌に投稿し、採択された。 アイデア創出に関する研究では、エーザイ知創部を事例として取り上げ、その知創部の取り組みにおける「1%ルール」と「hhc Driven Innnovation活動」に着目した。これらにより患者志向に基づいた薬の改良が行われていることを明らかとした。そして、漸進的イノベーションでは出発点としての顧客の存在が不可欠であること、さらには研究開発担当者は顧客の傍らに立つことで暗黙知の共同化が可能になることを示すことができた。 また、知識融合に関する研究では、グローバルR&Dにおける海外研究所との知識の融合に着目した。これまでの先行研究では知識の送り手と受け手の役割が明確に区分されていたが、本研究では両者がともに知識の送り手となり、受け手となる事例を扱った。その結果、知識の吸収と融合が促進された要因として、本国研究所と海外研究所との知識量格差が小さかったこと、非公式的なコミュニケーションパスが存在していたこと、さらには両者が相互に監視できる状態にあったこと、の3つを導出した。 以上のように、2013年度と2014年度は知識集約型である製薬産業を対象にして調査を進めてきた。その内容を著書として2015年度にまとめようと思っているが、そのための資料収集や研究は十分に進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
仮説をしっかり立て、インタビュー調査を行ったため、満足できる調査を実行することができた。そのため、研究を論文として形にまとめることができ、採択の結果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度は、研究最終年度にあたるため、著書にまとめていきたい。また、これまでの2年間は知識集約型である製薬産業を対象にしてきた。今後は、他産業にも目を向け、議論の一般化に向けた議論を展開していきたい。
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