2015 Fiscal Year Research-status Report
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25590101
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
冨田 健司 同志社大学, 商学部, 教授 (40329149)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 知識 / マーケティング / 創薬 / ベンチャー |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年のため、成果のまとめということで著書を出版した。著書『知識マーケティング』(中央経済社、2015年10月発行)では、知識マーケティングの5つの特性を提示した。その特性とは「未完成品の取引」「文脈依存性」「顧客志向の必要性」「交渉プロセスの存在」「知識の対称性」の5つである。特に「未完成品の取引」と「知識の対称性」は他の財のマーケティングとは異なる、知識商品ならではの特性と言える。 また、この著書の内容で、学会報告を行った(論題「知識をマーケティングするには」、日本商業学会関東部会、於:青山学院大学、2015年12月19日)。さらには、第7章の内容と第8章の内容でも学会報告を行った。第7章の内容は、「新薬開発における海外研究所との知識の融合」、商品開発・管理学会第24回全国大会、於:神戸国際大学、2015年6月13日である。第8章の内容は、「創薬のライセンス・イン/アウトで知識をマーケティングする際の特性」、日本マーケティング学会2015年カンファレンス(全国大会)、於:早稲田大学、2015年11月29日。この学会では、オーラルセッション ベストペーパー賞受を受賞することができた。 以上のように、当該研究は知識商品を対象としたマーケティングのあり方を探ることを問題意識としていたが、研究実施計画通りに研究を進めることができ、それと並行して学会誌への学術論文や学会発表、さらには著書に成果をまとめることもできた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通りには十分進めることができ、一定の結論、成果を得ることができた。 本研究では、新規の概念を定性的に導出したため、よくばって考えると、それを定量的にも証明した方が議論をより精緻化することができる。そのため、次年度にアンケート調査を実施し、その結論の検証を行っていけば、本研究での結論はさらに確かなものとなると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の課題としてアンケート調査を実施し、これまで得た結論の検証を行っていきたい。調査の性格上、大規模なアンケート調査は不可能であるが、サンプルに偏りが無いよう気を付けていきたい。アンケート調査や、さらには研究会などへ参加し本研究の結論を示すことによって意見聴取も行っていきたい。
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Causes of Carryover |
実家の介護問題が発生し、平成27年度に予定した研究会への参加が不十分だった。 また、今回得た結論は定性的研究によるものであったため、それをさらに定量的に検証したいと考えるようになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究会への参加、さらにはそこで本研究の結論を積極的に提示することにより、意見聴取を行っていきたい。 また、創薬ベンチャーを対象としたアンケート調査を行っていきたい。 そのため、研究会への参加費用、さらにはアンケート調査にまつわる諸費用(アンケート用紙の郵送費やアンケート結果をExcelへ入力する際のアルバイト代など)に充てたい。
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