2013 Fiscal Year Research-status Report
タブレットPC提示による面接社会調査の標準的技法の開発
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25590112
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉川 徹 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (90263194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤枝 尚樹 関西大学, 社会学部, 助教 (50645546)
西森 年寿 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (90353416)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | タブレットPC / 社会調査 / CAPI法 |
Research Abstract |
タブレットPCを用いた社会調査の実践について、いかなるシステムが必要であり、調査方法として正統なのはどのようなヒューマンインターフェイスなのか、技術開発にかんして必要な事項は何か、などの諸点をさまざまに検討した。 とくに本年度は10インチのタブレットPCの試験機を購入し、Bluetoothによる2台のリンクによって、質問への回答を行なうシステムを設計し、その動作をチェックした。その結果、提示する画面を従来の質問紙法と同等にし、タイムラグのない円滑な入力を可能にすることなど、さまざまな改善を要する点が見出された。 これらは、現時点では完全には改善されておらず、引き続きシステムの修正を続けている。 職業的地位の小分類コードのプルダウン選択については、ウェブ上での調査形式の試行により、回答精度を上げるための情報収集を行った。これにより、一般対象者が現在の職業について小分類コードを検索した場合でも、おおよそ95%の精度で正しいコードに到達する段階に達している。 あわせて、個人情報を含む社会調査の対象者リストをタブレット内で管理し、GPS情報などを駆使した個別訪問を可能にするタブレット版のアプリの開発も進めた。 また、調査方法を研究する専門家や調査会社のコメントなども聞いた。集合面接や教育現場でのタブレット使用については、どのようにして情報の混線を防ぎ、多数機が同じ空間内で無線LANにアクセスすることを可能にするかという方法論を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点では、2台のタブレットPCをリンクさせて社会調査の回答を得るシステムを構築して、そこに職業プルダウン項目を含む、実践的な調査項目を入れて、動作をチェックしている。 この先は、従来の面接社会調査における調査員と回答者のやり取りの場面と同様の作業をタブレットPCを用いて実施できるかどうかをテストしていく。技術面では新システムの構築は成功しているため、試行を繰り返せば成果を得られる段階まできているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
25 年度に得られた試行調査のデータを、同様の内容を尋ねた面接調査および留置き調査の結果と比較し、タブレットPC を用いると、回答分布にどのようなバイアスが生じうるか、プルダウンによる自己選択の結果には、従来の方法をとった場合とどの程度の齟齬が生じるかなどを確認する。 こうして構築された調査の設計方法と質問システムについては、学会や研究会などで報告を行い、社会調査にかかわる専門家の意見を得る機会とする。年度末には、研究終了にあわせてこのシステムを広く公開し、以後の大規模調査において、タブレットPC 提示による調査を本格的に導入することができる体制を整備する。 ISCO-08 には、対応する職業の年収や、全世界での同じ仕事をしている人の数、必要な学歴や資格、男女比などの情報を関連付けることができる。これを利用して、学齢期の青少年の職業についての教育現場での試行を行なう。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究打ち合わせのための出張の旅費支出が、年度当初の予定額よりも少なかった。 平成26年度の出張旅費として執行予定である。
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