2014 Fiscal Year Research-status Report
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25590113
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
吹野 卓 島根大学, 法文学部, 教授 (70228873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 佳美 島根大学, 法文学部, 准教授 (80335546)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 性別役割規範 / 国際比較 / 国際研究者交流(トルコ・アメリカ) |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に従い、26年度には主に以下の研究活動を実施した。 (1)性別役割規範の国際比較という本研究の目的から、参加する研究者間で対象となる社会についての理解をより深めつつ、使用する質問紙を作成する作業を丁寧に行っていくことが必要であった。この目的を果たすために、トルコからZeynep Copur教授(Hacettepe University)、アメリカからKoropeckyj-Cox教授(University of Florida)、を日本に招聘し、日本側の研究代表者および研究分担者と、質問紙案を考える上で重要となる各国の文化的背景の情報交換を行った。また上記の直接の打合せ以外にもメールの遣り取りを重ね、トルコ・アメリカ・日本の3カ国で使用する質問紙を完成させた。なお、完成した質問紙は当初予定していた数量的分析のための質問項目だけでなく、異なる情報で表現された仮想カップルについてのイメージの自由記述も含まれており、各国の記述を英訳後、比較分析を行うこととした。 (2)上記の質問紙を用い、各国で学生を対象とした調査を実施した。時期の関係で他国のデータはまだ揃っていないが、日本では537件のデータを収集している。 (3)直接の国際比較調査ではないが、性別役割規範についての補足的情報を得る目的も含めて、特に性差が大きい社会的イシューである原子力発電への態度に関する調査、および男女共同参画社会に関する意識調査を、それぞれ別途に行った。これらの調査には3カ国比較の学生調査と共通する質問項目も含まれており、日本における性別役割規範の年代差等に関する情報を得ることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に行ったプレテストを元に、26年度は日本・トルコ・アメリカの3カ国で用いる質問紙を完成させ、予定どおり各国で実査を行った。これは計画通りの進捗状況であると判断できる。 また、特に性差が大きい社会的イシューである原子力発電の問題に関して、その賛否規定要因の性別特性についての分析結果を論文として公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
H27年度は、日本・トルコ・アメリカの3カ国で実施した調査データの分析および成果の公表を行う。また特に共通情報が少ないトルコを日本側研究者が訪問し、分析を進める上での情報交換を行う予定であり、当初計画に沿って研究を推進していくことが可能である。
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Causes of Carryover |
調査データの自由回答欄の英訳作業への取り掛かりが予定より遅れ、かつ必要となる謝金が当該年度予算の範囲では不足することが判明したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記理由により積み残しとなった作業の謝金として使用する。
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Research Products
(1 results)