2015 Fiscal Year Annual Research Report
東日本大震災後の大衆メディアの「震災観」「震災後の社会観」の構築と受容
Project/Area Number |
25590121
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
日高 勝之 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (00388787)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 東日本大震災 / 福島原発事故 / 原発・エネルギー政策 / ジャーナリズム報道 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の問題意識は、メディアが震災、とりわけ福島原発事故とどう向き合ったかを整理、検証することであった。震災、フクシマとメディアについては、事故時の災害報道、緊急報道のあり方の研究は既に進展を見せているものの、それ以外のメディアと震災、福島原発事故とのかかわりは、これまで学問的な整理や検証が必ずしも十分になされてこなかったのが実情である。最終年度は、これらの問題意識から、とりわけ福島原発事故とその後のメディア報道のありようについて検証を行い、国際学会と国内学会で研究発表を実施した。国際学会の発表は、Politic, Emotion and the Pastと題して、英国メディア・コミュニケーション・文化研究学会の国際ワークショップPolitics, Emotion & Protest Workshopにて実施した(2015年7月9日、於:英ボーンマス大学)。ここでは、「感情(emotion)」をキーワードにして、福島原発事故後に高まる脱原発運動、および脱原発を取り上げる主要メディア、およびオルタナティブ・メディアの考察を行った。「フクシマ」は世界的にも関心が高いため、事故後、日本のメディア、市民がエネルギー政策としての原発をどのように捉えているかについての発表は各国の専門家から注目を集めることができた。国内学会の発表は、「コミュニケーションとジャーナリズム~擬似調停報道とシナジーの視点から~」と題して、日本コミュニケーション学会第45回全国大会で実施した(2015年6月13日、於置:南山大学)。ここでは、イギリスの最近の政治の事例等を踏まえた後、福島原発事故後のジャーナリズム報道で見られる日本の脱原発、原発推進派の議論の乖離の進行を問題化し、解決の可能性などを考察した。
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Research Products
(2 results)