2013 Fiscal Year Research-status Report
離島社会の存続要件の研究~地域移動とのかかわりから~
Project/Area Number |
25590124
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University of Human Sciences |
Principal Investigator |
杉本 久未子 大阪人間科学大学, 人間科学部, 教授 (60340882)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 地域への愛着 / U・Iターン / 高齢者介護 / 就業機会 |
Research Abstract |
先島地域における地域移動の実態を把握するために、宮古島市、石垣市、竹富町の歴史、人口動態、産業構造、教育機関と卒業生の進路、福祉施設等に関する資料収集を行った。 2013年9月および2014年3月に3つの自治体の担当部局、高校、高齢者施設、伝統工芸館等へのヒアリングを実施し、若者の流出とU・Iターン、高齢者の生活実態等を把握した。そのなかで、高齢者介護の専門スタッフとして都会からのIターン者が活動していること、高校生のUターン志向が強く、進路選択もUターンを前提としていることなどの地域特性を把握した。また、伝統芸能に対する若者の関心が強く、それが地域への愛着を育む一因となっていることも確認した。 大阪沖縄県事務所、大阪沖縄県人会、沖縄県人会兵庫県本部、関西宮古郷友会へのインタビューを行い、先島出身者の関西での生活状況を把握している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先島地域では、自治体の関連部局、高等学校、福祉施設、伝統工芸関連施設へのヒアリングによって、地域の実態を把握するとともに、定住者およびU・Iターン者へのライフヒストリー調査や高校生のアンケート調査を行うための繋がりが形成された。 関西地域においては、県人会や郷友会の実態を把握するとともに、郷友会メンバーへのアンケートやインタビューを実施する準備が整いつつある。 このことで、就業機会などの基礎的条件とともに、地域への愛着や地域イメージなどの心理的・文化的要因の影響力を確認することが可能となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
先島地域では、高校生への地域愛着とUターンに関するアンケート、介護関係を中心としたIターン者へのライフヒストリー調査を実施し、先島地域での定住を支える条件を整理する。調査に際しては、八重山地域と宮古島地域の違い、中心部と周辺部ないしは本島と離島との違いに留意する。 関西地域では、八重山郷友会および宮古郷友会メンバーへのアンケートまたはライフヒストリー調査を実施する。調査に際しては、帰郷意識と帰郷条件に注目し、愛着や地域イメージの持つ意味を把握する。 この結果から、先島地域に対する愛着や定住意向に関する地域差や年代差を分析する予定である。
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