2015 Fiscal Year Research-status Report
スクールソーシャルワーカーを活用した地域相談支援体制の構築に関する実践的研究
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25590131
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
吉川 雅博 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (20315865)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | スクールソーシャルワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の一環で、小学校1校と中学校1校で、1名のスクールソーシャルワーカー(以下SSWer)が2年間活動した。学校教員にとってSSWerという専門職の存在すら知らない状況でSSWerを配置した。2年間経過しSSWerの仕事内容が教員に理解され、福祉的な視点が理解されることで教員の視野も広がり、チーム支援体制ができた。特に保護者対応についてSSWerは有効であった。本研究のまとめとして,学校教員がSSWerを活用する際の注意点とSSWerが学校で活動する際の注意点をまとめた。 1.学校教員がSSWerを活用する際の注意点は以下の3点であった。 ①SSWerの仕事内容を理解するための教員向け研修会を実施する。②先生ではない立場の人が入るということに意味がある。たとえば、SSWerは教員では入手できないような個人的な事情等を得ることができる。③とにかく相談してみる。学校職員だけで保護者の背景も含め対応するということには限界がある。子どもを理解しようとするとき,学校での出来事を見るだけでは不十分で、その子どもの家庭や成育歴からいろいろなことがわかる場合が多い。 2.SSWerが学校で活動する際の注意点 ①教員にSSWerの仕事内容を理解してもらう。②配置される学校の特徴を理解する学校での動き方やその学校での役割を校長先生の考え方や校務分掌などから検討する。小学校と中学校で組織の動かし方が異なる。③先生との信頼関係を築く。④従来からある相談機関等と役割分担を決める。SSWerが新たに加わることになるため、従来から学校と関わりがある相談機関等とSSWerとの役割分担を決め、連携に支障をきたさないように配慮する。⑤保護者は先生よりもSSWerのほうが話がしやすい。保護者の話を聞く役割が重要である。また、保護者は学校の先生には知られたくないと思っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
教員向けSSWer活用マニュアルとSSWer向けのガイドブックの作成を本研究の成果物と考えているが、まとめの検討が遅れ、2つの成果物の作成が遅れたため
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の成果物である、教員向けSSWer活用マニュアルとSSWer向けのガイドブックを作成する。
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Causes of Carryover |
教員向けSSWer活用マニュアルとSSWer向けのガイドブックの作成を本研究の成果物と考えているが、そのためのデータ収集と執筆時間が、業務多忙のため、なかなかとれなかったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
年度前半にデータ整理を行い、10月から原稿を執筆し、年末までには完成させ、印刷に回す予定である。
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