2014 Fiscal Year Annual Research Report
自閉症スペクトラム障害にたいする感情教育セミナーの研究
Project/Area Number |
25590176
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
須田 治 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 教授 (50132098)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 発達障害 / 自閉症スペクトラム障害 / 感情の機能障害 / 発話内容分析 / アレキシサイミア / アスペルガー症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,高機能の自閉症スペクトラム障害(ASDと略)の人びと(青年・成人)にたいする発達支援方法を検討するための研究である。研究開始時には,セミナー構造を設けて効果的,経済的なガイダンス(指導)とカウンセリングを進めようとした。しかし「セミナー構造」には予測以上に抵抗感が強いことが明らかになった。もとよりASDの人びとには,個人ごとに異なる困難であるにもかかわらず,危機的な状態にまで切迫していたので,ケース単位に支援方法の開発の計画を進めることにした。 科学研究費の計画の最初の本質を踏まえて進めるということにしたのである。各ケースは母親またはきょうだいの付き添いで,来室してもらい,本人が感じとれる<感情からの接近法>での支援を進めた研究目的は,「障害としての感情混乱」に対しての対応方法をカウンセリング的なやりとりの文脈をつくり出して支援方法を検討することにした。 方法としては,TAS-20(アレキシサイミア尺度),自閉症スペクトラム指数(AQ尺度)その他不安尺度を許諾を得てもちいることにし,個人間の相違をプロフィールとしてとらえた。さらに,各ケースに対して人物イメージについての発話エピソードをとらえ(西田・須田2015),それをASDの11ケースに対して少なくとも2回インタビューして内容分析を行なった。そしてそのケースのうちから2ケースを選んでインテンシヴなカウンセリングを,それぞれ5ないし6回行なった。 このインテンシヴなカウンセリングは,感情に焦点づけられた対話であり,発達支援として「感情感知アプローチ」を目指すものであり,結果を内容分析している。この実験的な対話は,支援者側の支援能力を育むような機会になり,対象者の発話量が著しく変化していた。残された課題は,実証研究としてまとめるための支援効果の測定などの検討である。
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