2013 Fiscal Year Research-status Report
批判的評価能力と高次の心の理論および認知コストとの関連
Project/Area Number |
25590178
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝川 藍 明治学院大学, 公私立大学の部局等, 助教 (50633492)
子安 増生 京都大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (70115658)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 批判的評価 / 心の理論 / 認知処理コスト |
Research Abstract |
私たちは、メディアや周囲の人間からもたらされる多種多様な情報の波の中で、何を信じるべきか、何を疑うべきかを常に評価しながら社会生活を営んでいる。このような社会生活において、情報を鵜呑みにせず批判的に評価する能力は不可欠である。本研究では、批判的評価能力と高次の心の理論(theory of mind)および認知的コストとの関連を検討する。平成25年度は、大学生を対象とした質問紙調査を作成し実施した。複数の情報源から得られる情報の信頼性を評価し、その情報に基づいて意思決定をする際に、高次の心の理論の能力と認知的コストがどのように影響しているかを検討するため、新規に批判的評価課題を考案・作成した。この批判的評価課題では、2つのトピック(薬・英語の授業)について、複数の情報源からの情報を提示し、それらの情報に基づいて薬や授業の有効性・有用性判断や薬の使用・授業の受講の意欲について参加者から回答を求めた。認知コストを操作するため、情報の提示方法の異なる2つのバージョンの質問紙を作成した。高次の心の理論の能力の測定には、Imposing Memory Task(Kinderman, Dunbar, & Bentall, 1998)の修正版を使用した。 平成25年度前期には、35名の日本の大学生(理工系)を対象に予備調査を実施した。予備調査の結果に基づき、適宜課題の修正を行った。平成25年度後期には、日本の2大学の大学生(理工系ならびに教育系)155名を対象に本調査を実施した。その結果、トピック(薬・授業)によって、複数の情報源からの情報に基づいた態度形成における心の理論の能力の利用の仕方が異なる可能性が示唆された。平成25年度の研究成果については、現在学術誌への投稿に向けて準備を進めている。 これらの調査の遂行の他に、研究代表者及び共同研究者2名は、関連論文の執筆や学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、批判的評価課題を考案・作成し、日本の大学生を対象とした質問紙調査を実施した。ただし、調査の結果から、批判的評価と認知コストの関連について検討するためにさらなる課題の修正の必要性が示唆された。西洋の学生については、データを集めることが出来なかったので、平成26年度に調査を実施する計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究をもとに、批判的評価課題の修正を行い、日本での新たな調査を実施する。更に、研究協力者のLisa Scharrer博士の協力を受け、ドイツ語訳の課題を用いてドイツの大学生を対象とした調査を実施し、日本とドイツの大学生の批判的評価能力の違いについて検討する。これらの調査においては、情報を提示するタイミングを統制するため、ウェブ調査システムを使用する。 研究の成果は、国際誌で発表し、また国内外の学会において発表を行う予定である。 次年度の予算は下記の4つの目的で使用する予定である。①課題の翻訳費、②ウェブ調査システムの利用料、③消耗品や設備備品の購入費、④国内及び海外での学会発表のための旅費、⑤論文の英文校正料
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
学会論文の投稿に間に合わなかったため、学会発表のための旅費として未使用額が生じた。 学会参加関連に使用する予定である。
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Research Products
(28 results)
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[Journal Article] Lost in translation? Comparing British, Japanese, and Italian children ’s theory-of-mind performance.2014
Author(s)
Hughes, C., Devine, R. T., Ensor, R., Koyasu, M., Mizokawa, A., & Lecce, S.
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Journal Title
Child Development Research
Volume: 2014
Pages: 1-10
DOI
Peer Reviewed
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