2014 Fiscal Year Annual Research Report
インターネット調査による成人男性の性的欲求に関する心理学的研究
Project/Area Number |
25590181
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Research Institution | Shikoku University |
Principal Investigator |
下坂 剛 四国大学, 生活科学部, 講師 (30390347)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 性的欲求 / インターネット調査 / 成人男性 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の目的は,1)初年度に実施した研究結果をもとに関連変数を追加して新たな調査対象者において調査を実施・分析すること,2)国内学会,国際会議において研究成果を発表すること,3)得られた分析結果をまとめて,査読誌等への投稿等によって一般社会への情報発信を行う,の3点であった。1)および2)については計画通り遂行し,3)についても査読誌での論文発表を行っていく予定である。 具体的な研究成果としては,第2回のインターネット調査を成人男性390名(20代~40代)に対して5月に実施した。調査内容は,初年度に作成した男性版性的欲求認知尺度19項目,性罪悪感,相互独立的―相互協調的自己観,DV傾向,自己愛傾向,ストレッサーやストレス反応,虚偽尺度であった。分析の結果,初年度のデータと比べると因子構造は4因子のうち3因子は同一のものが現れたが,1つは因子として認められなかった。また,性的欲求認知尺度の中でも「深い満足」因子は,もともと自尊感情とも正の相関が認められ,重要な因子と考えられる。第2回目の調査でも「深い満足」因子は「性罪悪感」と負の相関,文化的自己観と正の相関が認められ,調査対象者が異なってもその重要性が再確認された形となった。 本研究の成果を研究期間全体を通じてまとめると,具体的内容については当初の計画通り遂行できたといえる。本研究の意義は,心理学領域で性的欲求や性行動の研究が進んでいない現状から,性教育や性犯罪の予防という観点からも研究の蓄積が必要という点であった。2年間の研究を経て,国内や海外の複数の学会で研究成果の発表したが,本研究の内容に対して関心を示す研究者は少なからずおり,今後の研究の進展において学術的な発展が見込めることが示唆された。
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