2014 Fiscal Year Research-status Report
在日留学生を対象とした異文化間食育の開発-健康教育と異文化間教育の学際的融合
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25590187
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田中 共子 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (40227153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兵藤 好美 岡山大学, 保健学研究科, 准教授 (90151555)
高浜 愛 横浜国立大学, その他の研究科, 講師 (90444645) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 異文化間食育 / 留学生 / 食ギャップ / 文化受容 / 健康教育 / 文化アシミレーター / 半構造化面接 / 異文化間教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.在日外国人留学生の食ギャップ 食ギャップについて、パリで開催された国際応用心理学会議の「健康心理学:肯定的な健康と医療の文化」(シンポジウム」で発表した。環境移行は食の混乱をもたらし、移行先環境の社会文化的な異質さが混乱を生んでいる。習慣や知識や意識などの個人条件と、経済や地理などの制約条件の中で対応が試みられ、食スタイルが再構成されていく。食には文化受容を反映する面と、独立している面がある。また食は文化交流や対人交流の機会として機能しており、食の社交性の持つ適応促進機能が示唆される。2.欧米出身在日外国人留学生の食の文化変容 欧米は日本との文化間距離が中程度と考え、先にみた中国や韓国など近距離圏との対比的検討を進め、異文化間教育学会で発表した。日本の食文化に触れてより健康を意識する例は、異文化滞在が否定的側面だけでなく、肯定的な健康教育的な意義を持つことを示唆する。3.在日ムスリム留学生における食 日本との文化観距離が比較的遠いムスリムを対象に、彼らの食の文化受容について、北京で行われた心理と健康国際集会で発表した。宗教的な食の制約は交流の困難にもなるが、制約を尊重しながら交流しうるスキルを持つ者もみられる。4.異文化滞在者の食に関する文化アシミレーター 留学生と接するホストの日本人学生を対象に、食場面を含む文化葛藤を素材とした文化アシミレーターの開発を試みた。葛藤場面を収集して教示文を作り、回答を求めて反応と教育効果を探った。成果は多文化関係学会で発表された。5.韓国の留学生の食調査 韓国の地方都市の大学で学生の食生活を調べ、論考にまとめた。韓国食を中心に、洋食や中華になじみ、美容と健康を意識する者も多かった。彼らは、在日韓国人留学生の食を理解するための対比的集団と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関連資料を集めながら、国内外での調査を実施して、分析を進めている。成果は国内学会と国際学会で発表し、一部を論考にまとめている。
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Strategy for Future Research Activity |
在日留学生対象の調査範囲を拡大し、各地から滞日する者の食について、その困難と対処、社会生活や文化受容との関わりの検討を進める。対比的集団を増やしながら、異文化滞在者の食に関する資料も充実させていく。そして以下の研究上の問いの答えを探っていく。①環境移行はどのような食ギャップに出会い、滞在者はどのような困難を抱え対処を行い、どのように食を再構成していくのか。②異文化滞在を食の困難体験のみならず、健康教育的な意義のある体験にするには、何が必要か。③環境移行者の支援策としての健康教育に、食を組み込むための枠組みと構成要素は何か。以上を総括して、国際的流動性の高まる時代における新たな健康教育のかたちとして、異文化間食育の提案に結びつけたい。
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Research Products
(7 results)