2014 Fiscal Year Annual Research Report
自律神経系活動にみられるストレス回復性の指標化とレジリエンスとの関係
Project/Area Number |
25590188
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岩永 誠 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (40203393)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | レジリエンス / ストレス / 自律神経系活動 / 対処方略 / 対人関係場面 / 課題解決場面 / 回復性 |
Outline of Annual Research Achievements |
レジリエンスは脆弱性と共にストレスを規定する概念として提唱され,ストレスからの回復性を指し,適応性に関連する。本研究はストレスからの回復過程に着目し,レジリエンスがストレス反応に及ぼす影響を検討した。平成26年度は,以下の2研究を行った。 1. レジリエンスが対処方略採用に及ぼす検討:対人関係場面(アルバイト場面・対友人場面)を場面想定法により設定し,その状況において採用する対処方略や対人満足に及ぼすレジリエンス(資質型・獲得型)の影響を検討した。(1)アルバイト場面において,獲得型高群は問題解決型対処をしやすく,資質型低・獲得型高群は回避型対処をしやすい。(2)対友人場面において,獲得型高群は問題解決型対処をしやすい。(3)獲得型高群は対人満足感が高い。以上の結果から,課題解決場面同様,対人関係場面においても獲得型レジリエンスが高いと問題解決型対処を採用しやすく,対人満足感も高いことから,適応的であることが分かった。 2. レジリエンスが課題ストレスからの自律神経系指標の回復に及ぼす検討:計算課題終了後90秒間の心拍数(HR),抹消血流量,呼吸数の回復に及ぼすレジリエンスの影響を検討した。 (1)抹消血流量は,獲得型低群において課題後に増加することが示された。ベースラインからの変化量では差が認められないことから,獲得型低群は計算課題による交感神経系活動が促進されたために,見かけ上回復量が大きくなったことが分かった。(2)HRや呼吸数において,群間に回復量や変化パターンに違いは認められなかった。計算課題による自律神経系活動の賦活が十分でなかったために,回復性に違いが認められなかったと考えられる。
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Research Products
(4 results)