2014 Fiscal Year Annual Research Report
「色彩転換メガネ」の着用による色彩への順応及び色彩のクオリアの研究
Project/Area Number |
25590207
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野村 弘平 大阪大学, 人間科学研究科, 特任研究員 (40648672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 和則 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (70312436)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | クオリア / 色彩 / 認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
本実験は「色彩転換メガネ」を用いて、色彩のクオリアの意味合いを探るものである。色彩転換メガネはデジタルカメラとヘッドマウントディスプレイを用いて作製され、デジタル画像がRGBであることを利用して、赤が青に、青が緑に、緑が赤にと、入れ替わった光景を装着者に与える。本研究の参加者は色彩転換メガネの着用後に、変換された光景に対しての順応、色彩の分解能、色彩の持つ明度、彩度への感受性、色彩から感じる主観的なイメージについて、どのような影響があったかを調べられた。 当初の予定では一週間の終日これを装着することを計画していたが、乗物酔いの様になる場合があること、装置の重量が終日の装着には重すぎること、バッテリーの持続時間に問題があることなどより、4日間、一日あたり4時間の着用という実験計画に修正された。当初の予定よりは影響が弱まったものと思われるが、結論を先に述べれば、4日間4時間でも有意な影響があることが確認された。 装置には幾度か不具合が生じた。接触不良が発生した他、当初使用していた鉛蓄電池が特に夏場の気温において消耗が激しいことが判明し、業者に依頼して新たにリチウム鉄電池を発注し、また外部バッテリー方式に改造する必要があった。 平成26年度には、のべ20人の実験参加者(実験者自身も含む)についてそれぞれ4日間の装着実験が行われた。これに加えて、体調不良により途中で実験を中止した参加者が2人あった。 集められたデータは、日本視覚学会2015年冬季大会において、『「色彩転換メガネ」の着用による色彩への順応及び色彩のクオリアの研究』というタイトルで発表された、多くの観覧者から活発に質問を受け、評判は良かったものであると考える。結果はさらに英文で科学雑誌に投稿することを予定しており、現在投稿論文を執筆中である。
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Research Products
(1 results)