2015 Fiscal Year Research-status Report
眼球組織の移動と変形の計測による高精度視線推定の研究
Project/Area Number |
25590208
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
早見 武人 岡山大学, 自然科学研究科, 講師 (60364113)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 厚生 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (10200289)
松尾 太加志 北九州市立大学, 文学部, 教授 (70229425)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 近赤外線 / 光生物学的安全性 |
Outline of Annual Research Achievements |
実験の安全性を確認し倫理審査を受審した.視線入力はこなれた技術であり,人間工学分野では倫理審査を受審せずとも研究発表可能であることから,計画当初は倫理審査を省略することも想定していた.しかし社会における研究倫理に対する見方が年々厳しくなっており,平成27年2月には文部科学省ならびに厚生労働省より「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針ガイダンス」が示されたこともあり,本研究についても倫理審査を受審することにした.最初は研究代表者の所属機関である岡山大学で受審することを検討したが,当学では人を対象とする研究における安全性に関する倫理審査は医歯薬部門のみで実施されており,自然科学研究科には適当な倫理審査制度がなく,自然科学研究科に所属する研究代表者が学内で倫理審査を受審することは手続き上困難であった.そのため研究分担者の所属機関である北九州市立大学において倫理審査を受審した.使用する赤外線照明の明るさや照射距離はJIS C 7550に基づく計算により安全を確保した環境での実験は,実験協力者からの申告により実験をいつでも中断できる体制を取ることにより遂行可であることが認められた.審査を通過したことにより,実験を遂行する環境を整えることができた.実験装置については,人体の振動が計測値に与える影響を最小限にとどめ,かつ実験協力者の負担の少ない実験協力者の姿勢や姿勢支持方法を検討した.半座位で計測を行うことのできる実験装置を構築した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度に行った眼球映像の撮影テストの結果,映像のぶれが想定した量よりも多く計測の妨げとなることがわかったため,実験環境から振動を除外する方法を検討した.前年度の検討により0.1Hz付近の振動を抑えることができるようになったが1Hz付近は不十分と考えられたため,頭部の運動が重力の影響を受けにくいと考えられる半座位で実験協力者に刺激映像を見せたり眼球を撮影したりすることができるように実験環境の再構築を行った.懸案となっていた倫理審査には研究組織体制上の困難があり時間を要したが本年度中に通過できたため,次年度は実験協力者による実験を実施できる体制になった.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は実験協力者による実験を行い,固視と回転運動の反復で構成される注視課題遂行中に眼球が運動する様子を高速度カメラで撮影する.眼球の並進移動量と回転量を正確に計測することにより,眼窩内の眼球の詳細な動きを明らかにする.研究代表者が以前実施した実験に基づく回転運動モデルと比較し,実際の視線の動きに対応するより正確な眼球の挙動を表す数学的なモデルを構築する.
|
Causes of Carryover |
実験協力者による実験と実験に関する研究発表に使用する予定であった経費について,倫理上の課題を解決するために実験開始が遅れたため次年度使用額が生じた.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に実施する実験協力者への謝金,研究発表のための投稿料および研究活動を遂行するために必要な消耗品に使用する計画である.
|