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2014 Fiscal Year Research-status Report

感情語辞典の作成を目指す基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 25590212
Research InstitutionDoshisha University

Principal Investigator

鈴木 直人  同志社大学, 心理学部, 教授 (30094428)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2017-03-31
Keywords感情語 / データベース / 感情喚起感情語刺激
Outline of Annual Research Achievements

平成26年度は,平成25年度に実施して取得した感情語のデータの分類作業に時間がかかり,予定した段階には進めなかった。25年度取得したデータ,すなわち全国から様々な年齢層の937人から得られた全般(2255語),ポジティブ感情語(1131語),ネガティブ感情語(1041語),中性語(23語),オノマトペ(422語)を20人の心理学を学ぶ大学院生に感情語と考えられるかどうかの評価を求め,8割以上が感情語としたものを選択し,同義語と思われるものをまとめ49項目の感情語を取り出した。その結果,ポジティヴな感情語が10語(20.4%),ネガティブな感情語が37語(75.5%),その他2語(4.1%)であり,従来主張されてきたネガティブとポジティブな感情語の割合を指示するものとなった。この割合はこの結果が信頼できるものであることが伺われた。当初の目的では,これらの各感情語がどのような文脈で使われるかの調査に移行する予定であったが,諸般の理由もあり(現在までの達成度の項目に記載),26年度中にその調査を行うことが出来なかった。
なお、今年度行った関連研究として、感情を喚起するための感情喚起語リストの作成を行った。これは共同研究の一環として行ったもので、感情語を用いて感情を喚起するリストを作るという目的で行ったものである。この感情喚起感情語リストはBradley達が精力的に作成しているが、翻訳したものは意味合いが異なるため、適切なリストと言えなかった。我々の作った感情語リストは、こうした批判にこたえるもので、快―不快ト覚醒度という2つの次元で構成されるとされる感情の意味空間を9つに細分し、そこに位置する各15語ずつを抽出したものである。近々学会誌に論文として投稿すべく準備中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

平成26年度の実行計画の達成はほとんどできなかった。この大きな理由は平成25年度中に行った調査の解析に多大な時間を要してしまったことが第1の原因である。平成25年度の調査は全国約900名を対象に、感情語と本人が思っている単語を自由回答で求めた。その結果約4,500語の回答が得られた。これを,心理学を学ぶ大学院生に感情語かどうかの評定を求めたが、極めて大変な作業であった。この結果に基づき,申請者が感情語と誰もが認める単語を抽出する作業を行ったが、この作業に多大な時間を要してしまった。特にこの作業中に日本心理学会という3500人ほどが参加する学会を申請者が大会委員長として開催 (9月中旬) したため、その準備に追われるようになり、研究に割く時間がなくなってしまった。また大会終了後も準備中に手がつけられなかった本務校や学会関係の仕事の片付けなどで、本課題に対する時間の配分ができなくなってしまった。以上の理由で、当初予定していた所定の感情語がどのような状況で使用されるかという全国調査を行うための準備ができず,26年度中の調査実施を断念せざるを得なくなってしまった。このため、その後に続く様々な作業に支障を来たし,その後の段階に進めなかった。

Strategy for Future Research Activity

平成27年度は、平成26年度中に手掛けられなかった研究課題、及び当初申請で今年度に行う予定をしていた研究を精力的に行うことを考えている。昨年度達成できなかった理由はもはや解決し、課題遂行の準備もほぼできているため、9月までに昨年度達成できなかった課題のかなりの部分を達成し、続いて今年度の課題に取り組みたいと考えている。
まず,昨年遂行できなかった,感情語の使用場面の収集から始める予定である。この調査は調査会社を通して全国規模での行うことを予定している。呈示する感情語はすでに抽出してあるため,送球にかかることが出来ると考えている。また約250名の感情心理学を研究対象として,抽出した感情語の英訳を求める。続いて研究者があげた英訳をまとめ,日本語への邦訳を求め,両者の対応表を作成する。こうして得られた感情語を使用し,それらの感情語がどのような場面で使用されているのかの自由回答を求める。また逆に,全国調査で得られた使用場面を用いて,その場面で使用する感情語の調査を行う。この2つの結果をあわすことで,仮の感情語時点を作成する。
以上のような方法で得られた感情語とその使用場面の関係のリストを用いてアメリカ,日本での使用場面の比較を行う。ここまでの作業を今年度中に出来ればと考えている。以上の段階が終われば,そのような場面でどの感情語を使用すればよいか,また感情語の外国での使用法と後外が明らかになるものと思われる。
関連研究として,当初から予定した感情語のファジー概念を使用した異同の判定も早急に行う。また昨年度関連する仕事として開始した勘定を喚起する感情語リストを用いたス津ループ実験を,PDとの共同研究として大学生,高齢者を対象として行う予定であり,高齢者の感情のあり方の解明につながるのではないかと期待している。

Causes of Carryover

平成26年度の実行計画の達成はほとんどできなかった。この大きな理由は平成25年度中に行った調査の解析に多大な時間を要してしまったことが第1の原因である。平成25年度に得られた結果に基づき,申請者が感情語と誰もが認める単語を抽出する作業を行ったが、この作業に多大な時間を要してしまった。特にこの作業中に日本心理学会という3500人ほどが参加する学会を申請者が大会委員長として開催 (9月中旬) したため、その準備,後片付けに追われ、研究に割く時間がなくなってしまった。以上の理由で、当初予定していた所定の感情語がどのような状況で使用されるかという全国調査を行うための準備ができなかった。このため、その後に続く様々な作業に支障を来たし,その後のデータの収集、その打ち込み、解析の補助など当初予定していた課題遂行のための支出が不要となってしまった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成27年度は、平成26年度中に手掛けられなかった研究課題、及び当初今年度中に予定をしていた研究課題を精力的に行うことを考えている。昨年度達成できなかった理由はもはや解決し、課題遂行の準備もほぼできているため、9月までに割くン江戸達成できなかった課題のかなりの部分を達成し、続いて今年度の課題に取り組みたいと考えている。この課題を達成するため、今年度の補助金は、全国調査のための調査費用(調査業者を使用)、そのデータの打ち込み、収集、解析のための実験補助費用、またファジー理論を用いた感情語の関係の実験遂行のための実験謝礼などに用いる予定である。

  • Research Products

    (10 results)

All 2014

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results) Presentation (5 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 主観的な感情と要求される表情表出の違いが生理反応に及ぼす影響2014

    • Author(s)
      中川紗枝・鈴木直人
    • Journal Title

      生理心理学と精神生理学

      Volume: 31 Pages: 181-191

    • DOI

      10.5674/jjppp.1308oa

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Scaking laws in emotion associated words and correspondeing networks topology,2014

    • Author(s)
      Takehara,T., Ochiai, F., & Suzuki, N.
    • Journal Title

      Cognitive Processing

      Volume: 15 Pages: ー

    • DOI

      10,1007/s10339-0643-z

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 競争時の優劣関係が“焦り”と心臓血管系反応に与える影響2014

    • Author(s)
      山口大輔・鈴木直人
    • Journal Title

      同志社心理

      Volume: 51 Pages: 38-46

  • [Journal Article] 自己不一致と健康,感情の関係性2014

    • Author(s)
      石山裕菜・鈴木直人
    • Journal Title

      同志社心理

      Volume: 61 Pages: 47-54

  • [Presentation] The influence of answer to the self-report scale on cardiovascular recovery2014

    • Author(s)
      Tezuka,Y., Murayama,N., Morioka, Y., & Suzuki,N
    • Organizer
      17th World Congress of Psychophysiology
    • Place of Presentation
      広島国際会館
    • Year and Date
      2014-09-27
  • [Presentation] 6種類の悲しみ喚起場面における悲しみの特徴とその時系列変化2014

    • Author(s)
      白井真理子・鈴木直人
    • Organizer
      日本心理学会第78回大会
    • Place of Presentation
      同志社大学
    • Year and Date
      2014-09-12
  • [Presentation] 勝敗が競争時の心臓血管系反応に与える影響2014

    • Author(s)
      山口大輔・鈴木直人
    • Organizer
      日本心理学会第78回大会
    • Place of Presentation
      同志社大学
    • Year and Date
      2014-09-11
  • [Presentation] 対人場面における聞き手の態度が話し手の生理反応に及ぼす影響2014

    • Author(s)
      中川紗江・鈴木直人
    • Organizer
      日本感情心理学会第22回大会
    • Place of Presentation
      宇都宮大学
    • Year and Date
      2014-05-31
  • [Presentation] 悲しみ評価尺度の作成および6種類の悲しみ喚起場面における評価の検討2014

    • Author(s)
      白井真理子・鈴木直人
    • Organizer
      日本感情心理学会第22回大会
    • Place of Presentation
      宇都宮大学
    • Year and Date
      2014-05-31
  • [Book] 心理学概論2014

    • Author(s)
      岡市廣成・鈴木直人(監修)
    • Total Pages
      441
    • Publisher
      ナカニシヤ出版

URL: 

Published: 2016-05-27  

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