2015 Fiscal Year Research-status Report
高等学校における道徳教育のグランドデザインの開発に関する研究
Project/Area Number |
25590270
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
押谷 由夫 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (50123774)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 道徳ノート / 道徳授業 / キャリア教育 / 新科目「公共」 / 人間としての在り方生き方 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度から小学校、平成31年度からは中学校において、「特別の教科 道徳」として道徳が教科化されることが決定している。それに関連して、高等学校においても新科目「公共」の中で「人間としての在り方生き方」教育を取り入れることが検討されており、本研究においてもそれを考慮した上で学習内容や教材開発を進めている。今年度は、昨年度まで継続的に行ってきた「道徳ノート」の開発、道徳授業の学習について、研究協力者や現場教員の意見等を取り入れながら、内容や実践方法の吟味、改善につとめてきた。また、検討会議では各都道府県における高校道徳の動向や、実践事例等の報告を通じて、これからの高校生期における道徳教育の在り方や、学校全体としてどのような取り組みを行っていくのか等について意見を出し合った。当初の計画では、新科目「公共」の導入を見越していなかったことや、会議及びワークショップ等の開催回数が少なかったこと等もあり、研究の成果を出すのに若干の遅れが生じているものの概ね計画通りに進んでいるといえる。その具体的な内容として次のようなものがあげられる。 1)道徳ノートの開発…「道徳ノート」に関しては、実際にいくつかの試作品を作成した上で、道徳授業と連動しながら、より使いやすいノートの開発を行った結果、A4判の糸封じノート(または、ファイル等)が自己内省を深めていく上で効果的であることが明らかになった。 2)高校生向けの道徳授業の内容…高校生に対する道徳授業を行う上で必要な要素として、社会の一員である自覚を促すことやキャリア教育との関連から、より実践的な内容を取り入れた教材の開発が求められている。その開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は当初の予定した計画に関しては、順調に進展している。ただ、現在高等学校における道徳教育は、次の教育課程の全面改定に向けて審議がなされており、選挙権の18歳引き下げとも関連して、新教科「公共」の新設をはじめ、道徳教育に関しても大幅な改善が検討されている。そのことを踏まえて、当初の計画をさらに発展させてこれからの高等学校における道徳教育について、高等学校における道徳教育科目の再検討を行っている韓国の実態調査等も踏まえて検討していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、韓国の高等学校における道徳教育の現地調査を行い、さらに現在検討されている、高等学校の全面的な教育課程改訂、新科目「公共」の学習指導要領なども踏まえて、昨年度までの研究成果をより精緻化すべく検討し、研究協議を深めながら報告書としてまとめる。その中で、道徳ノートや高校生を対象とした道徳授業の内容についても、具体的に示していく。
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Causes of Carryover |
本研究計画の当初の段階では、明確にされていなかったが、次の教育課程改定で高等学校に新科目「公共」の設置が検討されており、次の全面的な教育課程の改定に向けて道徳教育の充実策について審議されている。本研究の成果を基にしながら、それらの動向を取り入れた高等学校における道徳教育についてさらに深く検討し、まとめたいという理由から、次年度使用額を確保した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
まず、高等学校における道徳教育関連教科が充実している韓国の実情を現地調査する。さらに現在検討されている、高等学校の全面的な教育課程改訂、新科目「公共」の学習指導要領なども踏まえて、研究協議を深めながら報告書としてまとめ報告書を作成する。
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