2013 Fiscal Year Research-status Report
”iPad”と”学内SNS”を活用した自主学習型音楽技能向上システムの開発
Project/Area Number |
25590274
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Chubu Gakuin College |
Principal Investigator |
杉山 祐子 中部学院大学短期大学部, その他部局等, 教授 (70647114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堅田 明義 中部学院大学, 公私立大学の部局等, その他 (60015435)
速水 悟 岐阜大学, 工学部, 教授 (90345794)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ピアノ技能向上 / iPad / 学内SNS / 自主学習システム |
Research Abstract |
IT技術を活用したピアノ技能習得の効果的な指導法を構築する目的のために、3点の研究を計画した。第1年目は、研究計画に挙げた「学内SNSを介した教師や学生同士の情報交換の場の提供と、自主学習への効果を検証する。」の研究を進めた。SNSシステム構築に関して、まず学習者側にどのようなニーズがあるか質問紙調査を実施した。その結果、自主学習に必要とされる“やる気”を継続させるには、指導者からの助言や学習者間の情報交換が必要とされていることが分かった。 そこで、紙媒体による指導者と学習者との“評価的やりとり”と名付けた情報交換を予備実験した。“評価的やりとり”とは、毎週の学習者の報告に、指導者が評価や助言の個別対応をすることである。実験は、毎週の学習者の「ピアノ練習時間」と「学習に関する質問や感想」の2点の成果を、“評価的やりとり”実施群と実施しなかった群で比較した。その結果、“評価的やりとり”実施群は実施しない群よりピアノ練習時間が増加したことから、“評価的やりとり”の有効性が確認された。この結果を基に、外部システムエンジニアと協働でiPadを活用した学内SNSシステムを考案し改良を重ねた。このシステムでは、指導者が学習者に個別対応できるだけでなく、質問紙調査にあった学習者間の情報交換として、他者の練習時間量や、参考になる質問・感想に関して、指導者の管理のもとで公開できるようにした。2か月間、このシステムのモニタリングを行い、使い勝手や、参考になったと思う欄の意見を収集した。ピアノ技能は、自主学習が欠かせないにもかかわらず、学習の孤立化ややる気の低下が起き易い。指導者との“評価的やりとり”を行うことで、心配を軽減しより効果的な自主学習が可能となる試みの1つとして、意義があったと考える。さらに、IT化することで諸データの取得と蓄積が可能になり、分析に基づいた個別対応も期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、指で触れることに特化したタブレット端末“iPad”上で、アプリケーションと学内SNSを活用した自主学習システムを考案することである。1年目として学内SNSシステムを考案し、試験的に運用するところまで至った。 その前段階としての、紙ベースでの予備的実験を経たことで、学習者のニーズを把握し最適なプログラムをシステムに反映できたと考える。考案したシステムを試験的に運用して分かった利点と問題点を整理することで、プログラムの改良に役立てることができると考える。 1年目として、目的達成のためのに実施する予定の3点のうち、2点目の「学内SNSを介した教師や学生同士の情報交換の場の提供と、自主学習への効果を検証する。」がほぼ達成できたことから、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目の本年度は、指で触れることに特化したタブレット端末“iPad”上で、自主学習システムを考案するという目的のために、2点実行する計画である。 1点目は、昨年に引き続き、学内SNSシステム運用に関してである。教育現場での活用により、教師側からの助言や評価、情報提供が自主学習にどの程度利用されているか、を調査する。その結果をもとにシステムの修正と追加を考える。また、サーバーに蓄積された個々の記録データを研究分担者と整理し、教育に有効な活用方法を検討する。 2点目は、ピアノ演奏メソッドを考案する。演奏における音やリズムの正確さに関して、学習者の演奏データを基に指導者の判断にできるだけ近い正誤判定のロジックを確立する実験を行う。まず、演奏データを収集し、研究協力者とともに、正解と判定される範囲について明確化する。そのデータから正誤判定ロジックを組み立てる。学習者が使いその結果から、判定ロジックが有効に機能しているかを分析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は学内SNSシステムの運用を先に実施した。システムを組むためのサーバー設備費を優先的に使用した。そのため、iPad10台購入予定であったが、まず試験的に1台のみの購入となり、残りの購入予定額の残金が発生した。 繰り越した204,863円と本年度の物品費14,000円でiPad3台分の購入費とする。
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Research Products
(3 results)