2014 Fiscal Year Annual Research Report
補聴器・人工内耳の装用評価に視覚刺激を付加した効果
Project/Area Number |
25590282
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
中川 辰雄 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (00164137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 靖佳 筑波大学, 人間総合科学研究科(系), 准教授 (10233826)
佐藤 正幸 筑波技術大学, 学内共同利用施設等, 教授 (50222021)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 聴覚障者 / 視聴覚統合 / 音声知覚 / 補聴器 / 人工内耳 |
Outline of Annual Research Achievements |
聴覚に障がいがあったり、聴力が正常であっても周囲に騒音があったりすると、日常のコミュニケーションにおいて視覚に依存する割合が大きくなる。本研究は聴覚に障がいがある大学生の視聴覚による音声の知覚の特徴について明らかにすることを目的として初年度は装置や研究法の開発を行った。 最終年度に開発した装置を用いて、聴覚に障がいがある9名の大学生を対象として視覚と聴覚の統合実験を行った。いずれの被験者も事前の調査で補聴器や人工内耳を装用して、日常生活で音声言語でのコミュニケーションを行っている人を対象とした。 手続きとしては、提示した音声は21個の単音節と、学校用語検査で用いる20個の三音節単語、それに日常生活文リストから抽出した20文章(35キーワード)であった。 提示条件は4つ設定し、音声のみ、音声を発している話者の顔の映像のみ、そして音声とその話者の顔の映像を同時に提示したもの、そして音声とは関係のない単音、単語、文章を発している映像を同時に提示した。実験は無響室内で行い、被験者は映像が提示されるスクリーンと音声が提示されるスピーカからの音に注意して何といっているかを口頭で応答し、実験者がその反応を書き取った。 結果及び考察としては、9名の被験者の提示条件別の正答率を算出した。1名の被験者を除き、視覚提示よりも聴覚提示の方が正答率は高く、さらに聴覚提示よりも視聴覚一致刺激の提示の方がさらに正答率は高くなった。これらの被験者は視覚情報を有効に活用して、視聴覚統合を図っていると考えられる。一方、1名の被験者は他の8名の聴覚障がい者とは異なり、視覚提示が聴覚提示よりも正答率が高く、視覚提示と視聴覚一致の条件間で正答率がほとんど同じであった。視聴覚一致と視聴覚不一致間の正答率を比較すると、単音節、単語、それに文章のいずれの条件でも視聴覚一致条件の方が正答率は高かった。
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Research Products
(3 results)