2014 Fiscal Year Research-status Report
自閉症児におけるパソコンを用いた概念形成学習および達成度評価システムの開発
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25590285
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
冷水 來生 京都教育大学, 教育学部, 教授 (00154310)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 発達障害児 / 概念学習 / タブレットパソコン |
Outline of Annual Research Achievements |
【1.概念学習課題に用いる刺激項目の作成】概念学習課題は,最初にPC画面の上段中央にターゲット刺激画面が現れ,次に下段に選択肢画面が3個並列に出現する。対象児はターゲットと同じ「仲間」を下段の選択肢から選び,ターゲット刺激画面から選択肢画面へドラッグアンドドロップする。練習課題を3課題行ってから本課題に入る。最初にそのための刺激項目を作成する。大学生85名に対してアンケートを実施し,ターゲット項目1項目と,それに対する選択肢の候補を考えさせた。【2.刺激図版の作成】美術専攻の学生1名に,上記刺激項目として使用する線画図版を作成させた。また,専門学校学生他1名に,上記項目に対応する写真図版を作成させた。【3.概念学習PCプログラムの作成】当初の研究計画に記入した基本設計を反映したPCプログラムを情報技術サービス会社に外注し,新規購入したタブレットPC3台にインストールした。【4.課題の実施】放課後デイサービスに通う特別支援学校小学部2~3年生4名(男子)を対象に,パソコンによる概念学習プログラムを実施した。この結果は,2014年9月の日本心理学会第79回大会にて発表される。【5.パソコンプログラムのカスタマイズ】概念学習プログラムを使用中に不具合の生じた点,および改良が望ましい点を技術情報サービス会社に改良させ,平成27年度の実施予定の本格的な概念学習プログラムの実施に備えた。【6.図版の改良】当初の線画図版は描線が細く,刺激図版として必ずしも最適とはいえなかったため,専門学校生1名に,デジタル加工により描線を太くさせた。さらに,彩色を施した別バージョンも作成させた。これらは平成27年度に予定している本格的な概念学習プログラムにおいて使用される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
近年個人のプライバシー保護の見地から,障害を有する被験児の確保が困難になっており,本研究でも最大の障害はその点である。したがって今後も統計的処理が可能になるほどの対象児の数を確保すること,発達検査のデータを活用することは,プライバシー保護,個人情報保護との関連で最大の課題となる。この点が研究の若干遅れた理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
上記【現在までの達成度】の「理由」欄にも触れたが,障害児対象の研究では協力を得ることが以前にもまして困難になっている。現在,直ちに有効な対応策は思い浮かばない状態である。
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Causes of Carryover |
統計ソフトウェアオプションの購入を次年度に回したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記ソフトウェアオプションを本年度に購入する予定である。
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