2013 Fiscal Year Research-status Report
磁化誘起第二高調波発生による金ナノ構造における界面磁性の解明とナノ材料への応用
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25600006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
米村 弘明 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40220769)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 第二高調波発生 / 金ナノロッド / 磁化誘起第二高調波発生 / プラズモン / 蛍光増強 / スチルバゾール / 交互吸着法 / Langmuir-Blodgett法 |
Research Abstract |
金ナノロッド(AuNR)は棒状の金ナノ粒子で異方的形状に由来した二つの表面プラズモン(SP)吸収を持つ事が知られている。最近、我々は強磁場を用いた金ナノロッドの磁場配向を報告している。この磁場配向から、金ナノロッドが強磁性であり、磁性には界面磁性が関与していると推察している。本研究では磁化誘起第二高調波発生(MSHG)を用いて、金ナノロッド表面のスピンの存在を調べることを目的の一つとした。今年度はSHG活性分子であるスチルバゾール誘導体(C18Stil)のSH強度に及ぼすAuNRの影響について検討した。ガラス基板上に交互吸着法を用いて、アニオン性ポリマー(PSS)で表面修飾した(PSS -AuNR)とカチオン性ポリマー(PEI)を浸漬によってn回繰り返し行い、glass/(PEI/PSS-AuNR)nを得た。 この基板にさらにPEI、PSSを浸漬によって固定した後に、Langmuir-Blodgett法によってC18Stilを一層固定してサンプル基板(glass/(PEI/PSS-AuNR)n/ PEI/PSS/C18Stil)を作製した。サンプル基板の消失、蛍光スペクトル及びSHGを行った。消失スペクトルにより、積層回数を増加するにつれてAuNRの2つのSP吸収は大きくなった。次に、蛍光スペクトルにより、C18Stil蛍光強度はAuNRの積層回数が多いほど強くなった。この結果より、AuNRの短軸のSPによる増強電場によってC18Stilの蛍光が増強したと考えられる。次に、SHG測定を行うと、C18Stil によるSHGフリンジパターンが観測できた。しかしながら、AuNRの積層回数が増加するにつれて、C18StilのSH強度は減少した。AuNRによる増強電場の強い位置にC18Stilが適切に配置できなかったためと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
AuNRの表面プラズモンによる増強電場が関与するSHG活性分子のSH強度の大幅な増強が期待されたが、この増強効果を観測できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
SHG活性分子の変更やSHG活性分子の固定化方法の改善により、AuNRによるSH強度の増強を目指す。AuNRによるSH強度の増強の観測後に、磁化誘起第二高調波発生による金ナノロッド表面のスピンの存在と機構解明を進めてゆく計画である。
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Research Products
(16 results)