2013 Fiscal Year Research-status Report
触媒反応場を目指したナノフラクタル微粒子構造の創製
Project/Area Number |
25600007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
諸貫 信行 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (90166463)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 微粒子 / 自己整列 / 逆オパール構造 / フラクタル |
Research Abstract |
微粒子を含む懸濁液に基板を浸した後に一定速度で引き上げる際,微粒子同士が引き付けあって最密構造を自己組織的につくる.粒径の異なる微粒子を組合せることでフラクタル的な構造を作製することができる.さらに構造製作後に粒径の大きな微粒子のみを選択的に除去することで逆オパール構造を製作することができ,溶液などの流動性を高めた触媒反応場としての担体構造が期待できる. このような担体構造の製作技術確立を目指し,1)単層/多層マイクロ粒子構造上へのナノ粒子整列メカニズムのモデル化,2)ナノ粒子構造が複合構造の強度に及ぼす影響の明確化,3)上記複合構造を用いた自立構造の検討,および,4)触媒活性の検証を行うことを本研究の目的としている. 今年度の研究では,まず粒径や微粒子濃度などを変えた基礎的な実験に基づいて前記1)のモデル化の検討を行った.単一粒径の微粒子に作用する静電力などを定式化し,微粒子同士および微粒子と基板との相互作用などをモデル化することで,微粒子整列が開始するための条件などを明らかにした. 実験的なアプローチとしてフラクタル構造の試作を進めるとともに,本手法の一般化を図るために平面基板だけでなく曲面上への整列も試みた.実験的な検討に加え,平面基板を対象とした整列モデルを曲面基板モデルに拡張した. また,前記3)の微粒子構造の固定化の方法として,紫外線硬化樹脂を塗布した別基板を微粒子構造に押し付けてから樹脂を硬化させて反転転写する方法を確立した.併せて,溶液等と広く接することができるように微粒子をピラーで支える構造の製作も検討した.すなわち,微粒子構造をマスクとしてフォトレジストをアッシングする際に微粒子直下にレジストの反応生成物とみられるピラー構造ができ,微粒子を固定化することができることを見出し,反応場としては好ましい状態となることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
微粒子整列のモデル化については当初計画どおりの成果を得ることができ,従来,整列の可否を経験的に決めるしかなかったものが事前に推定できるようになった.対象基板は平面のみならず曲面まで拡張することができた. フラクタル構造の製作については複数の試作を行うに留まっており,一部の成果発表は行ったものの,今後さらに精査を続けて成果発表を継続する必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
ほぼ順調に進展してきていることから,研究計画の修正は考えていない.研究目的の2)マイクロ/ナノ複合構造の強度に及ぼすナノ粒子の影響調査および4)の検証については,2年目の計画として実施する予定になっている.
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Research Products
(7 results)