2014 Fiscal Year Annual Research Report
触媒反応場を目指したナノフラクタル微粒子構造の創製
Project/Area Number |
25600007
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
諸貫 信行 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (90166463)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 微粒子 / 自己整列 / 多孔質構造 / 触媒 / フラクタル / 逆オパール構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
希少な触媒を保持するための多孔質構造作製を目指し,多段階の微粒子自己整列を用いた創成法を検討した.微粒子を分散させた懸濁液の乾燥時にできる自己整列構造をもとに,その周囲に触媒を含むナノ微粒子を同様に自己整列させた後,最初の微粒子を焼成などの方法で除去することによって多孔質構造を得ようというものであり,後に除去する微粒子(犠牲微粒子)を直径の異なるものの組合せとすることでフラクタル(自己相似)的な構造を得るための手法を検討した. 具体的には直径1あるいは10ミクロンのポリスチレンあるいはPMMA(アクリル)の樹脂粒子を犠牲微粒子として自己整列させ,その周囲に直径200nmのシリカ微粒子を整列させた後,焼成を行って樹脂微粒子を除去することで多孔質構造を製作した. これら一連のプロセスにおいて懸濁液中の微粒子の分散を維持しつつ整列基板上での乾燥時には相互に引き付けあうことが必要であるため,微粒子間に作用する相互力のモデル化と検証を進めた.その結果,整列の結果を一部予測することができるようになったものの,このプロセスにはさらに多様な因子が影響することがわかり,今後の更なる検討の余地も残した. 触媒構造として取り扱うためにはミクロンオーダの厚みでは強度が足りず,厚みのある構造とする必要がある.微粒子の自己整列法として,微粒子を分散させた懸濁液から基板を一定速度で引き上げる移流集積法では十分な厚みが実現できないため,鋳込みと同様の方法で製作を試みた.厚さ100ミクロン程度の構造を製作した後,別基板に転写することで自立構造を製作し,その強度評価までを行った結果,流路に配置するのに十分な強度を有することを確認した.
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