2013 Fiscal Year Research-status Report
多様な新規クラウン・ジュエル構造金属ナノクラスター触媒の創製
Project/Area Number |
25600008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
戸嶋 直樹 山口東京理科大学, 工学部, 教授 (50011010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 幸英 山口東京理科大学, 工学部, 准教授(Associate Professor) (60289303)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 金属ナノ粒子 / 金属コロイド触媒 / クラウン・ジュエル触媒 / 二元金属クラスター / グルコース酸化 / 金触媒 / 単独原子触媒 / 金属原子置換 |
Research Abstract |
本研究は、金属ナノクラスターの頂点位のみに触媒活性のある金属原子を置換した構造、即ちクラウン・ジュエル構造の種々の金属ナノクラスターの合成と、その触媒活性の検証を目的とする。 これまでに本研究者らは、母体パラジウム(Pd) クラスターの頂点原子を金(Au)原子に置換したクラウン・ジエル触媒の合成に成功し、高い触媒活性をもつことを明らかにした。そこで、本研究では、この概念を拡張して、Pd 以外の貴金属を母体としたクラウン・ジュエル触媒、遷移金属を母体としたクラウン・ジュエル触媒、そしてさらに金属酸化物を母体としたクラウン・ジュエル触媒を合成し、その触媒活性を評価することを目指す。 本年度はまず、種々の貴金属ナノクラスターを母体として、レドックス金属原子置換反応により、Auをクラスターの頂点に付けたクラウン・ジュエル触媒の合成から始めた。貴金属としては、Pd以外に、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、および白金(Pt)を検討することとした。Auとの置換がPdで成功しているので、Pdを含む二元金属クラスター、具体的には、PdとRh、PdとIr、そしてPdとPtの二元金属ナノクラスターを母体クラスターとして、Auイオンと反応させることとした。 母体となる二元金属ナノクラスターの合成には、水溶性高分子のポリビニルピロリドン(PVP)存在下でアルコールを還元剤とする同時還元法を用いた。これまでの研究者らの経験から容易に予想されたように、この方法で比較的単分散な二元金属ナノクラスターが合成できた。二元系では、核にIrが多く外殻にPdの多い構造のものが合成できたので、これとAuイオンとで置換反応を起させて、三元金属のクラウン・ジュエル触媒を合成した。この触媒活性は、元のPd/Au二元クラウン・ジュエル触媒のそれを上回るものであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、金属ナノクラスターの頂点位のみに触媒活性のある金属原子を置換した構造、即ちクラウン・ジュエル構造の種々の金属ナノクラスターの合成と、その触媒活性の検証を目的とする。 本年度はまず、種々の貴金属ナノクラスターを母体として、レドックス金属原子置換反応により、Auをクラスターの頂点に付けたクラウン・ジュエル触媒の合成を目標とした。貴金属としては、Pdを含む二元金属クラスター、具体的には、PdとRh、PdとIr、そしてPdとPtの二元金属ナノクラスターを母体クラスターとし、これとAuイオンとを反応させることにより、クラウン・ジュエル触媒を合成することを目標とした。 その結果。IrPd合金クラスターを母体としてAuイオンとの置換により、クラウン・ジュエル構造の3元金属触媒の合成に成功した。しかもこのクラウン・ジュエル触媒は、以前我々が報告したPdAuクラウン・ジュエル触媒よりも高活性であることが明らかになった。 この点では、予想を上回る成果と言えよう。しかし、卑金属を母体とするクラスターの合成にはまだ成功していないので、全体としてはほぼ順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
IrPd二元金属クラスターを母体とするクラウンジュエル触媒では、まだ母体の二元金属クラスターで金属比を変更したらどうなるか、また、IrPd以外の貴金属の二元金属クラスターを母体とする場合にどうなるかなどを検討し、グルコース酸素酸化に最も高活性な組み合わせを検証する。 卑金属としては、NiやCuとPdを組み合わせた二元金属クラスターを合成し、これを母体としてAuイオンとの酸化還元置換により、卑金属を母体とするクラウン・ジュエル触媒の合成に挑む。卑金属のナノクラスターでは、空気により容易に酸化が起こることが知られている。そこで、卑金属の母体クラスターの合成が困難な場合には、大量の貴金属と少量の卑金属の組み合わせで、二元金属ナノクラスーを合成し、安定化したものを母体クラスターとして使用しようと考えている。 金属酸化物を母体とするものについては、卑金属の酸化容易性を利用しようと考えているので、前記卑金属系の実験成果の如何に応じて、攻略法を検討しつつ進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
小額であるので次年度一緒に使う方が効率的であると考えた。 今年度試薬購入に使用する。
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Research Products
(26 results)