2013 Fiscal Year Research-status Report
単一原子非弾性トンネル分光と原子スケール・格子系/電子系エネルギー変換技術の研究
Project/Area Number |
25600015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
小野 行徳 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 教授 (80374073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 匡寛 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 助教 (50643269)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 振動分光 / 単一ドーパント / エネルギー消費 / トンネル効果 |
Research Abstract |
平成25年度は、振動分光を高精度に行うために必要な低雑音検出系の立ち上げを行った。現在までに、数pAレベルの信号の2階微分特性を良好に取得できることを確認している。 また、新規に導入した低温プローバを用いて、5Kの温度において単一ドーパント原子トランジスタが良好に動作していることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、測定系の立ち上げを完了した。また、デバイスの方も問題なく動作していることが確認できた。次年度に本格測定を開始する。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に立ち上げた測定系を用いて、低温にてPN接合におけるドーパント原子の振動分光を行う。これをさらに発展させ、単一ドーパントを含むトランジスタの振動分光を行い、単一原子により振動モードを検出するとともに、そのエネルギー散逸過程を追う。 本計画での非弾性トンネル成分の観測の成否が本課題全体の成否を左右する。従来の報告や計画1のデバイスと比べ、本計画で対象とするデバイスでは、電荷(正孔)は必ず量子ドット(ボロン原子)を経由する。このため、微細なデバイスであるにもかかわらず、非弾性トンネル分光の感度は十分に高いと期待される。ただし、初段の実験で非弾性成分の検出が困難であった場合には、非対称トンネル障壁(左右のトンネル障壁の抵抗が大きく異なる)を有する単電子トランジスタを利用することにより、電荷のボロン原子位置での滞在時間を制御し(増加させ)実効的に結合強度を高める等の改善を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
旅費が予想より少額で済んだため。 旅費に充当する。
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Research Products
(7 results)