2014 Fiscal Year Annual Research Report
清浄金属ナノ粒子形成のためのカーボンナノチューブチュービング法の確立
Project/Area Number |
25600024
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
小塩 明 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70362358)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | カーボンナノチューブ / 金属ナノ粒子 / アーク放電 / 金属内包カーボンナノチューブ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度には、アーク放電法で作製可能な高充填率の銅内包カーボンナノチューブ(Cu@CNT)と紫外線硬化樹脂とのコンポジットフィルムを作製し、可視光吸収スペクトルによる評価を行った。その結果、590 nm付近に内包銅による特異な吸収を観測することができた。さらに、真空加熱処理したCu@CNTの試料でも同様に、紫外線硬化樹脂とのコンポジットフィルムを作製し、詳細な吸収スペクトルの測定を行った。その結果、熱処理前の試料と比較して、300℃以上で加熱した試料では約5 nmブルーシフトした。つまり、ちょうど内包銅が溶出し、CNTの外側に銅ナノ粒子を形成する温度領域と一致していることが明らかとなった。 研究最終年度には、紫外領域も含めた吸収スペクトルによるCu@CNTの銅溶出現象の追跡を可能にするため、ポリビニルアルコールとのコンポジットフィルムを作製し、評価を行った。その結果、初年度には測定できなかったCNT構造由来の吸収と、大気中で操作した場合に自然酸化された酸化銅ナノ粒子由来の吸収を評価することができた。 また、さらに低温で溶出する金属を模索する過程で、銅とゲルマニウムならびに銅とチタンの合金内包カーボンナノチューブ(Cu-Ge@CNTならびにCu-Ti@CNT)を従来のCu@CNTに匹敵する収率、充填率で作製することに成功した。これらはCu@CNTより約200℃低い温度で内包金属が溶出することがわかった。XRD解析によりCu-Ge@CNTの内包物はCu3Geであることが明らかとなった。一方Cu-Ti@CNTの場合はCu-Ti合金はCNTに内包しているときはアモルファスで、CNTから溶出すると結晶性のCu3Ti合金粒子に変化することが分かった。さらにXPS分析から、熱処理により溶出し形成されたCu3Ti合金粒子は表面がTiO2で覆われたコアシェル構造であることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)