2014 Fiscal Year Annual Research Report
白金使用量抑制を目指した形態設計可能なNiベース合金触媒創製
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25600028
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
B JEYADEVAN 滋賀県立大学, 工学部, 教授 (80261593)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ナノ機能材料 / 触媒ナノ粒子 / アルコール還元法 / ポリオール還元法 / Ni-Ptナノ粒子 / Ni-Pt-Pdナノ粒子 / Ptナノケージ |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、立方体の形状を持った斬新なNi-PtやNi-Pt-Pd合金ナノ粒子合成に成功し、粒子中に含んでいる白金は特異的に粒子の角および接線のみに分布していたことから、優れた触媒活性を有することを確認した。本研究課題では、そのユニークな粒子の生成機構の解明を図り、デザイン可能な触媒粒子の合成技術開発や触媒応用を目指した。 合成プロセスについては、Ni-PtおよびNi-Pt-Pdナノ粒子合成機構解明を目指し、様々な合成パラメータを変化させ、それぞれのパラメータが与える影響を確認し、生成機構の解明を試みたが、生成機構解明に至らなかった。そこで、最適な合成条件下で時間分解サンプリングを行い、詳細な粒子の観察と粒子の元素マッピングを行った結果、Ptのケージ状構造は、PtコアNiシェル構造の粒子が生成した後、粒子内でPtが拡散することにより形成されることを実験により明らかにした。その結果の詳細は、Nanoscale, (DOI: 10.1039/C5NR01816A、2015)に掲載された。しかし、その拡散機構の駆動力は今だ不明であり、生成過程を応用した粒子の改良や新たな粒子の設計は難しい。そこで、分子動力学的シミュレーションを用いて、NiPtナノ粒子におけるPtの拡散特性を解析することを目的とし、研究を継続して行っている。 一方、Ni-Pt-Pdナノ粒子に対しても同様な分析を行った結果、Pdはコアとなり、それを覆う形でNi-Pdの合金が形成されたが、PtはNi-Pt粒子と同様に立方体粒子の接線と角に析出されていた。それらの結果の詳細は、RSC Advances,4, 26667-72,2014に掲載された。 また、得られたNi-Ptナノ粒子やそれをベースとしたPtナノケージの触媒性能の評価を実施した結果、測定中の変化を抑える目的で用いたカーボン担持PNi-Ptケージの性能は、市販の触媒の約3倍であった。得られた実験および理論計算結果を基にNi-PtやNi-Pt-Pd粒子の触媒活性の向上を目指して研究を継続する予定である。
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Remarks |
申請者はポリオール/アルコール還元法を用いてナノ金属・合金・酸化物材料の開発を行っている。特に、磁性、半導体、導電性、触媒ナノ材料の合成技術開発やそれらを用いた工学応用に関する研究を行っている。金属ナノ材料の開発においてナノ粒子だけではなく、ナノワイヤの合成についても研究を行っている。
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