2014 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトテンプレート法によるナノリングの直接合成法の開発
Project/Area Number |
25600030
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
河合 武司 東京理科大学, 工学部, 教授 (10224718)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ナノリング / ソフトテンプレート |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノリングの生成機構を解明するために、TEM 3Dトモグラフ観察を行った。その結果、生成物はPdナノリングの集合体から形成されていることおよびナノリングの内側が空洞になっていること(金属は存在していないということ)が明らかとなった。またTEMによる生成物の経時観察から、ナノリングの生成過程はC18AAのテンプレート上で初期には球状ナノ粒子が生成し、生成したPdナノ粒子の凝集・融合プロセスを経てナノリングに成長することが明らかとなった。 本生成機構に基づいて、Pd-Ni合金の合成にも挑戦したところ、条件を最適化することによってPd-Niナノリングの集合体の作製に成功した。またナノリングの組成をICP-AESから調べたところ、仕込み比が[Pd]/[Ni]=4.0で合成したナノリングの組成は [Pd]/[Ni]=3.7であった。すなわち、仕込みと生成物の組成はほぼ一致することがわかった。さらに、組成の均一性については、PdとNiのTEMによる元素マッピングによって確認したところ、ナノリング全体でもナノリング一本一本でもPdとNiはほぼ均等に分布していることがわかった。 ナノリングの耐環境安定性を評価したところ、高い耐溶媒性、耐熱性(10-90℃)、耐酸性・塩基性(pH1-14)を有し、非常に安定したナノ構造体であることがわかった。そこで、p-ニトロフェノールの水素化反応に対する触媒能を調べた。その結果、Pdナノリングは比表面積がナノリングよりも大きいナノ粒子より高い触媒活性を示した。さらに、Pd-Niナノリングの触媒活性はNiの含有量とともに触媒活性は増大し、Ni含有率25%の合金ナノリングはPdナノリング(Ni=0%)よりも5倍ほど高活性であった。すなわち、高触媒活性のナノリングの作製に成功した。
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