2014 Fiscal Year Research-status Report
Bi2Te3ナノワイヤを用いた新しい印刷型熱電変換デバイス創生のための基礎研究
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25600032
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
川上 博司 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (50646916)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 熱電 / 熱電材料 / ナノワイヤ / 熱電特性評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
熱電材料のナノワイヤ化は量子効果にともなう性能向上が予測されており、その効果を実験的に明らかにすることは重要な課題である。本研究ではBi2Te3ナノワイヤをポーラスアルミナテンプレート中に電着させたナノワイヤアレイの出力に焦点をあて研究を行っている。本年度は、ナノワイヤを集積したナノワイヤアレイの出力特性評価を含む熱電特性評価装置の開発を中心とした研究のなかで以下の成果を得た。 1. ナノワイヤアレイのゼーベック係数S (μVK-1)をもとにした開回路電圧の計算値と実測値を比較した。計算値と実測値のズレはナノワイヤアレイの両端の温度差が大きくなるとともに大きくなった。これは温度制御の問題と電極などのゼーベック効果による影響と考えられ今後の課題となる。 2. 数十μmの厚さであるナノワイヤアレイはアスペクト比(厚さ/幅)が小さいため電流の入力端子とナノワイヤアレイの接触面積によっては電気伝導度が小さく測定されてしまう。そのため、電流を均一に流すための端子を新たに開発した。 3.数十μmの厚さであるナノワイヤアレイの電気伝導度測定の際2端子法を用いる必要があるため、接触抵抗が問題となるため以下の検討を行った。電気伝導度測定時の電極付けの最適化を検討した。Auの蒸着とAuペーストを併用することで電極の抵抗を最小化した。電気伝導度測定時にセッティングによる接触抵抗の変化を極力抑えるためプレスする機構を装置に組み込んだ。 4. 厚さ方向の熱電特性評価のデータ収集のために、有機物熱電材料膜や金属プレートの熱電特性を測定した。本研究で開発した装置は、他材料の評価においても有効であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究においてナノワイヤアレイの熱電特性評価を行い、ナノワイヤアレイ中の密度に基づいてナノワイヤの平均した熱電特性を計算まで行っている。そのため本研究の目的であるナノワイヤの評価とナノワイヤアレイの評価技術の開発という目的はおおむね達成している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究ではナノワイヤアレイ中の密度に基づいてナノワイヤの平均した熱電特性を計算することを可能にしたこと。また近年、ナノワイヤ自体の個体差などの問題が学会等で報告されている。そのためナノワイヤ単体での評価の優先度を下げ、今後はナノワイヤアレイの熱電特性の集積を優先して研究を行って行く予定である。
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Causes of Carryover |
研究成果の特許出願にともない論文の投稿が次年度にずれ込んだため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果の論文投稿費にあてる。
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[Presentation] Bi2Te3ナノワイヤーアレイの熱電出力特性2014
Author(s)
川上博司, 磯田幸宏, 篠原嘉一, B. Abad-Mayer, O. Caballero-Calero, M. S. Martin-Gonzalez
Organizer
第25回傾斜機能材料シンポジウム
Place of Presentation
郡山
Year and Date
2014-07-10 – 2014-07-11
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