2013 Fiscal Year Research-status Report
ナノ粒子ベシクル新規水相合成法の開発とナノ粒子の規則的複合化に関する研究
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25600036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石井 治之 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80565820)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ナノ粒子集積 / 中空粒子 / アニオン性界面活性剤 / ナノ触媒 / バイオセンシング材料 |
Research Abstract |
本研究では、ナノ粒子が集積した構造を持つ新規微粒子合成法の開発を目指している。特に、アニオン性界面活性剤が水溶液中で形成するナノ粒子ベシクル(ナノ粒子が集積し内部が空隙構造)に着目している。 平成25年度は、ナノ粒子ベシクルの形成メカニズムの解明や2種のナノ粒子の複合化、シリカ被覆ベシクルへの金ナノ粒子集積を検討した。まず、ナノ粒子ベシクルの生成過程を様々な電子顕微鏡を用いて観察したところ、界面活性剤の自己集合体構造が形成し、反応中にセリアナノ粒子と相互作用することがわかった。また、最終的に得た粒子は、セリアナノ粒子が10 nm程度の層となっており、その周りをシリカで被覆している構造であることがわかった。次に、2種類のナノ粒子を用いた集積化を検討した。セリアナノ粒子と金ナノ粒子を同時に添加するだけの簡便な手法で集積を達成した。ここで気相反応における触媒特性を評価したところ、CO酸化反応が100℃以下の室温に近い温度で開始することがわかった。これは、2種のナノ粒子が近接した相乗効果に因るものと考える。また、シリカ被覆ベシクル表面への金ナノ粒子の集積化を検討した。シリカ表面は多様な表面修飾が可能であり、本研究ではシリカ表面と親和性の高いバインダーを用いることで、金ナノ粒子の集積化に成功した。これはバイオセンシング材料として期待できる。 以上より、ナノ粒子集積構造の形成メカニズムを明らかにすると共に、複数の用途に利用可能な粒子の合成に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度では、まずナノ粒子ベシクル形成機構を解明する上で重要な知見を得た。これは、本手法を他のナノ粒子に適用する場合や、ナノ粒子集積構造を利用した応用の際に重要となる。また、2種のナノ粒子の複合化することによる触媒活性の向上を達成した。これは本研究のナノ粒子集積技術の有用性を示す具体例だと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、ナノ粒子ベシクルの形成メカニズムの詳細を評価すると共に、ナノ粒子集積構造の多様化を検討する。また、外部への成果発表を積極的に行い、他の専門家と意見交流を行うことで研究を深化し、応用の幅を広げる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度では国際会議への参加(情報収集)を検討していた。しかし、概ね良好な結果を得たため、成果発表を行う方針に変更し、次年度の国際会議へ参加することとした。 国際会議における成果発表と共に、合成した粒子を用いた粒子の触媒活性評価の委託費用に使用する。
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