2013 Fiscal Year Research-status Report
磁性ナノ粒子内包CNT複合体の創製とラジオ波ハイパーサーミアへの展開
Project/Area Number |
25600044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤ヶ谷 剛彦 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30444863)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 金属内包CNT / CNT修飾 / ラジオ波照射装置 |
Research Abstract |
1.ラジオ波応答性CNT複合体のデザイン・開発。一般的にナノ粒子内包CNTは、水溶液中で粒子前駆体として金属イオンを内包させ、ろ過による回収・洗浄の後、ナノ粒子前駆体内包CNTの高温加熱処理を行うことで得ることができる。しかし、この方法では粒子前駆体量に制限があるため、(1)粒子が低密度でしか内包されない、(2)内包粒子のサイズが不均一といった問題がある。そこで、高沸点溶媒を使用し、保護剤存在下in situでCNT内でのナノ粒子合成及び内包を試みた。その結果、外壁に担持されたナノ粒子は見られず、サイズ6 -8 nmの鉄ナノ粒子がCNTに内包されている様子が観察された。今後、内包率は向上の余地がある。今後反応条件や試薬を最適化する必要がある。 2、ラジオ波応答性CNT複合体への生体親和性基の修飾。官能基を共有結合で導入する化学修飾法はCNTの表面構造に欠陥形成を伴い、その特性を劣化させるため、物理修飾法がより好ましい。しかし物理修飾法では、生体内のように他の吸着物質が大量に存在する環境では分散剤が表面から脱離し、CNTの再凝集が起こることがある。そこで、ミセル内部空間を重合場として架橋高分子を合成する手法に取り組んだ。その結果、SWNTを包み込むように架橋高分子の重合に成功し、脱離せずに高い被覆安定性の付与が達成した。 3、ラジオ波照射装置の開発。本研究では医療用周波数である13.8 MHzを発振するラジオ波照射装置を開発した。カーボンブラックを分散したエタノール溶液(50mg/mL)では瞬時に沸騰される様子が観察され、物質発熱能力を有することが確認された。今後、大希釈条件下での実験に取り組む。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、研究の素材となる金属内包カーボンナノチューブ作成技術およびカーボンナノチューブ被覆技術、ラジオ波照射装置の作成まで達成している。今後は、これらの技術を集約し、実際のラジオ波照射実験を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
ラジオ波応答実験の準備として、溶液温度のモニター方法の確立を進める必要がある。また、金属内包CNTの内包率を向上させる必要もあり、条件見当が必要である。
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