2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25600045
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高藤 誠 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (50332086)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ハイブリッドハイドロゲル / コロイダルシリカ / ポリマーネットワーク / ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、側鎖に反応性基を導入したコポリマーとコロイダルシリカとの水中での混合により得られるハイブリッドハイドロゲルを利用したヘテロ構造化ゲルマイクロ粒子の作製を行った。混合水溶液をシリコンオイル中に分散させ、懸濁状態で保持することによりハイブリッドハイドロゲルのマイクロ粒子を作製することに成功した。しかし、ハイブリッドゲルマイクロ粒子は、シリカやポリマーなどの反応性部位が残存しており、粒子の界面における相互反応により凝集するため、懸濁媒体であるシリコンオイル中にシランカップリング剤を添加することで凝集を抑制するとともに、界面をシランカップリング剤で機能化したヘテロ構造型のゲル微粒子を作製することに成功した。詳細な内部構造は未解明であるが、ヘテロ構造化によりゲルの機械的強度は著しく上昇することを確認した。ハイブリッドゲル粒子のサイズは、コポリマーの濃度、コロイダルシリカの濃度、懸濁媒体(シリコンオイル)の粘度などにより、数10ミクロンから数100ミクロンの範囲で容易に粒径制御が可能である。コロイダルシリカがマルチ架橋点となるハイドロゲルは、内部のポリマーネットワーク構造を制御することで、機械的強度や低分子化合物の保持性能を緻密に制御することが可能である。ハイブリッドゲルから水を留去することで、コポリマーとコロイダルシリカから構成される高濃度のハイブリッドゲル微粒子の作製にも成功した。ハイブリッドゲル微粒子は磁性ナノ粒子やダイアモンドナノ粒子など他の無機ナノ粒子を用いて作製することできることを確認しており、外部刺激応答性の付与やヘテロ構造化も可能である。本萌芽的基礎研究で得られた研究成果をベースに、多様な機能を付与したハイブリッドヘテロゲル微粒子の作製を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由:当初の目標とした、ハイブリッドゲル微粒子の作製、ヘテロ構造化ならびに刺激応答性の付与には成功した。現在、学術誌への投稿、学術会議での発表を準備している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、得られた成果の学術誌への投稿、学術会議での発表を進める計画であり、そのために必要なデータを追加する。また、本研究で得られた成果をもとに、ハイブリッドヘテロゲル微粒子のさらなる内部構造の多様化と機能性の付与について研究を進める。また、ハイブリッドゲル微粒子からの水の留去によるハイブリッド微粒子については、新しい研究課題として、研究開発に取り組む計画である。
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Causes of Carryover |
研究で得られた成果を企業と連携して特許申請済みである。企業からの要請もあり、特許内容の学術雑誌、学会等での発表を控えていた。そのため、当初予定していた学術雑誌への投稿原稿の英文校正料、学会等での発表に関わる旅費については、次年度に繰り越すこととした。特許出願から、いっていの期間が経過したため、次年度に研究成果を学術誌、学術会議で発表する計画である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
得られた成果の学術誌への投稿、学術会議での発表を準備している。学術論文へは1報を投稿中であり、もう1報を準備中である。また国際学会での発表は、2件を登録済みである。次年度は、学術論文への投稿のための英文校正料、国際学会発表のための旅費などに使用する計画である。また、これらの発表に必要となるデータ取得のための実験を行う予定であり、そのための消耗品(少額)に使用する計画である。
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Research Products
(5 results)