2013 Fiscal Year Research-status Report
電解法による局所pH制御を利用したゼオライト薄膜の選択的合成
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25600047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
八木 俊介 大阪府立大学, 21世紀科学研究機構, 講師 (60452273)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 電解合成 / フレームワーク構造 / 水熱合成 / 局所pH制御 |
Research Abstract |
一般的な水熱合成法でゼオライト粉末を得るためには、100℃~200℃程度の高温、0.3~1 MPa程度の高圧、10~12程度の高pHの3つの条件が必要であるが、薄膜状のゼオライトを得るためには、種結晶を形成させた多孔質支持体上に支持膜を形成するなどの煩雑な前工程が必要である。これに対し本研究では、ゼオライト薄膜を単一工程で得るための全く新しい電気化学的手法の可能性を探査する。具体的には、ゼオライト合成の必要条件である高温、高圧の条件をオートクレーブを用いることによりあらかじめ達成した上で、電解法により電極近傍のpHを上昇させることで、ゼオライト析出のための3つの条件を電極近傍でのみ達成する。本研究の結果、この方法を用いて結晶性を示唆するシリカ(二酸化ケイ素)析出物を電極上にのみ得ることができた。現段階ではこの析出物の正確な構造の同定はできていないが、ゼオライト骨格の主成分であるシリカの析出制御が電解法により可能であることが示唆された。以上の研究成果について、電気化学会にて口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、電解法により結晶性を示唆するシリカを電極表面に析出させることができた。現時点では薄膜状態のゼオライトを得るまでには至っていないが、今後の条件の最適化により、粉末や薄膜といった形態の制御も可能になると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
シリカ析出物の結晶構造同定のために、より多くの析出物を電解合成により作成する。また電解条件を精査することで、形態制御の可能性についても検討する。さらにゼオライトの細孔中に電気化学的に活性な金属カチオンを担持させ、このカチオンの酸化還元反応を利用した電極活物質としての可能性や、細孔中のイオン伝導性についても検討を進める予定である。
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Research Products
(2 results)