2013 Fiscal Year Research-status Report
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25600053
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西澤 松彦 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20273592)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | バイオ燃料電池 |
Research Abstract |
化学エネルギーで自立駆動するバイオシステムを,酵素燃料電池のテクニックを駆使して実現するチャレンジである。H25年度は、その基盤となるバイオ燃料電池技術に関して、フレキシブル化に関する進展が得られた。具体的には、カーボン布やカーボンナノチューブフィルムなど柔軟な電極フィルムに対して、分散カーボンナノチューブを塗布固定化すると、酵素の固定量が増大し、発電性能が格段に向上することが分かった。また、酸素を還元するカソードに関しては、表面の疎水化処理によってセル内部の溶液の漏出を防ぎ、同時に気・液・固相からなる3相界面が効率よく調製出来る事がわかり、酸素還元性能が格段に向上した。更に、電解液と燃料を保持するためのハイドロゲルシートに関しても組成の最適化を行い、アクリルアミドによるダブルネットワークゲルが、水保持性、形状保持性、イオン伝導性などにおいて優れていると分かった。以上の構成要素を組み合わせて作製したフィルム状バイオ燃料電池によって、屈曲しても出力の変化が殆ど起きない性能が実現できた。このバイオ発電シートは、積層することで出力電圧を倍増させることも出来た。これは、先に説明した表面疎水化処理によって電解液の漏出が防がれ、電解液によるセル間の短絡が防止された効果である。以上の成果は、本研究で開発するバイオ駆動アクチュエータの実現に向けた重要な要素技術の創出であり、これを小型化・アレイ化することによってエネルギー自立の搬送デバイスの創出などを行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ハイドロゲルとフレキシブル電極の組み合わせで、屈曲性を有する自立型のバイオ燃料電池が実現できている。これにより、当初目的のアクチュエータシステムの開発が進展すると期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今回得られた自立型の屈曲性バイオ燃料電池を、微細加工技術で小型化・アレイ化することで、当初目的とした物質搬送などの実現を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
フレキシブルなハイドロゲル素材の探索が予定よりも順調に進行したため、物品費が予定よりも小額で済んだ。 次年度の小型化・アレイ化のための仕具の購入などに充てる。
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