2013 Fiscal Year Research-status Report
刺激応答性マイクロハイドロゲルによるバイオミメティック光学スマートスキン
Project/Area Number |
25600055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾上 弘晃 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (30548681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩瀬 英治 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (70436559)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ハイドロゲル / 光学デバイス / スマートスキン / フレキシブル / マイクロマシン |
Research Abstract |
平成25年度は当初の予定通り、色素胞を模すに適した刺激応答性ゲルの探索を行った。様々なハイドロゲルを検討した結果、電場に応答してゲルが変形するPAMPSゲルを利用してディスプレイ素子の構築を行った。PAMPSゲルを3Dプリンタにより作製したマイクロモールドによって幅約4.5 mm×長さ約22 mm×厚さ約1.2 mmの短冊状に加工形成し、メチレンブルーにより青色に着色を行った。その短冊状のPAMPSゲルをアレイ化し、プロトタイプとして3ピクセルx 3ピクセルの合計9ピクセルのドットマトリックスディスプレイを構築した。このディスプレイを正面から観察したとき,真直状態のゲルはオフ(白),屈曲状態のゲルはオン(青)と視認することができた。ゲルによるディスプレイの表示領域を評価したところ、オフの時はピクセル面積の15%, オンの時はピクセル面積の81%にハイドロゲルが観察され、オンとオフで十分なコントラストを出すことに成功した。これにより、ハイドロゲルの構造の変化により、ディスプレイが構築可能であるという本研究提案のコンセプトを実験的に示すことができた。また今後解決すべき課題としては、電圧による外部刺激を与える場合、電極の溶解や泡の発生などが問題となることが判明した。これは、電極部分を水溶液に直接つけないように絶縁体にて被覆したり、交流による刺激をすることで電極の電気分解を防ぐことなどが考えられる。また磁場などの別の外場の利用も有効であるだろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目標としていたハイドロゲルによるディスプレイ素子の開発に成功した点により、順調に研究が進展していると言える。特にアレイ化に取り組み、ドットマトリックスディスプレイを実際に作製した点は、当初は平成26年度に予定していた研究計画であるため予定以上の成果が出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は素子の開発を進める一方、ディスプレイのフレキシブル化に取り組む予定である。また、平成25年度は色素を利用することで素子を構成したが、平成26年度には構造色による発色にも取り組む予定である。さらに課題となった電圧印加時の電極の電気分解についても、素子の小型化することで印加電圧を下げる取り組みや、交流などを利用することで克服することを計画している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画では、初年度に構造色ビーズによる発色機構を検討する予定であったが、色素を用いてディスプレイを構築することを優先して進めたため、構造色を構築するためのナノビーズ材料費及び薄膜形成プロセス費として予定していた消耗品費をH26年度に執行することとなった。 構造色を構築するためのナノビーズ材料費及び薄膜形成プロセス費、また光学シミュレーションを行うための計算機費としての執行を予定している。
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Research Products
(1 results)