2014 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生研究のためのin vitro血管ネットワークモデルの開発
Project/Area Number |
25600057
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松永 行子(津田行子) 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (00533663)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 血管新生 / in vitroモデル / コラーゲン / マイクロデバイス / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、血管新生研究のための任意のネットワーク形状を有する三次元微小血管システムを構築することである。具体的には、すでに開発した三次元コラーゲンゲルマイクロ流路デバイスを発展させ、血管新生研究に特化した①ネットワーク状の微小血管モデルの作製、②安定化構造の構築を行う。最終的には、癌細胞との共培養および抗血管新生剤などによる③環境応答試験を行うことで、作製した微小血管システムの血管新生研究利用への有効性を評価する。最終年度である平成26年度の研究では、主に血管の安定化構造の構築と環境応答試験、具体的には、がん細胞との共培養およびVEGF刺激に対する血管新生挙動、血管透過性評価について検討した。 がん細胞(悪性黒色腫・メラノーマ)と共培養したところ、三次元状の微小血管からコラーゲンゲル内へ新生する挙動がみられ、かつ、がん細胞がコラーゲンゲル内を遊走し、微小血管内へ浸潤する様子が確認された。また、高濃度のVEGF刺激に対する血管新生の数を評価したところ、本数、長さともに高濃度条件において高くなることが示された。さらに、VEGF刺激時の血管透過性を蛍光定量法により評価したところ、刺激による透過性亢進を確認した。 以上より、今回開発したin vitro血管ネットワークモデルは、血管新生および透過性亢進などの生体同様の挙動を示し、血管新生研究へと利用できる可能性が示唆された。
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