2014 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体を用いた昇華-再結晶ハイブリッド型有機材料精製プロセスの開発
Project/Area Number |
25600074
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松本 祐司 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60302981)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 有機半導体材料 / イオン液体 / 精製技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、高品質な有機単結晶・薄膜を得るために、申請者が独自に研究・開発を進めてきたイオン液体を介した真空蒸着プロセスを、その結晶成長に伴う高温・真空下での溶解と析出のサイクルである再結晶過程を、従来の昇華精製プロセスと複合化し、低分子の有機半導体材料を精製するハイブリッド技術を開発することである。 H26年度は、前年度に設計した昇華-再結晶ハイブリッド型精製炉を導入し、その析出実験を通じ、本コンセプトの有効性を検証した。昇華炉である真空チャンバー全体を350℃で加熱し、ペンタセンを昇華させ、その蒸気をArフローで300℃に加熱したイオン液体中に誘導し、析出を試みた。その結果、仕込み量に対し、約35%がイオン液体中で析出し、実際にイオン液体中で析出したことを示す単結晶相が確認された。また、イオン液体液面へ、蒸気を含むArガスを吹き付けることでも、イオン液体液面に単結晶相が優先的に生成したことから、“吹き付け法”も有効であることが示唆された。 一方、MALDI-TOF-MASSを用いた分析手法を用いて、イオン液体中に真空蒸着したペンタセンでは、効率よく不純物であるペンタセンキノンが除去される事を明らかにし、昇華-再結晶ハイブリッド型では、効率よく精製されることを実証した。昇華-再結晶ハイブリッド型精製炉で得られたペンタセンの精製については、今後とも引き続き検討行なって行く予定である。
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Research Products
(3 results)