2013 Fiscal Year Research-status Report
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25600086
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
虻川 匡司 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (20241581)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 構造解析 / ナノ結晶 / 電子回折 |
Research Abstract |
本年度は、1粒のナノ結晶の構造解析を実現するための装置の設計製作と、研究対象とするための興味深いナノ結晶の調査を行った。本研究の成否は、ナノ結晶をその場所で回転させる事のできるゴニオメ-ターの開発にかかっている。そのため本年度は、精度の高いピエゾ並進ステージを購入して、それを回転ステージに取り付けられるような超高真空対応のゴニオメ-ターの設計と製作を行った。回転軸上にナノ結晶を移動するためには、本来x軸、y軸の2軸の並進ステージが必要であるが、予算の制限で1軸のみを配置した。将来的には2軸に拡張する予定である。また、回転軸の回転精度も重要であり、回転にともなう軸のぶれやがたつきが、なるべく小さくなるように、ベアリングの種類などを慎重に選定した。また、材質も非磁性で超高真空に耐えられる素材を選定し、超高真空装置に標準的なICF203フランジに取り付けられるように設計を行った。現在、機械工場に依頼してその製作を行っている段階である。ゴニオメ-ターの設計製作と並行して、ナノ結晶に電子を照射し構造解析を行うためのナノ電子ビーム装置の整備も行った。この装置は、走査電子顕微鏡装置であり、熱電界放出タイプの電子銃を備えているものである。この装置の真空排気を行って10のマイナス9乗パスカル台の超高真空が達成できる事を確認した。また、この電子銃を用いて走査電子顕微鏡像の観測を行い、100nm程度のナノ結晶の観測が行える事を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超高真空ゴニオメ-ターは、本年度で完成させる予定であったが、現在製作中でありやや遅れている。これは、ゴニオメ-ターの精度を高めるために、部品の選定や材料の選定にやや時間がかかったためである。しかしながら、それ以外の実験装置本体の電子銃などの準備は予定より早く進んでおり、全体的に見ればおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
製作中のゴニオメ-ターを完成させ、ナノ電子ビーム装置に取り付けて動作試験を行う。動作試験では、ナノ粒子を中心に回転できるかどうかゴニオメ-ターの精度の確認などを行う。万が一、精度が不十分の場合は対策を行いたい。また、ナノ結晶のトラッキングなども行えるように測定ソフトウェアの整備も行う。そして、金属基板上のナノ粒子、半導体基板上の磁性ナノ粒子などに関して実際に1粒のナノ結晶の構造解析を試みる。
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Research Products
(1 results)