2013 Fiscal Year Research-status Report
深紫外領域における窒化物半導体上の局在表面プラズモン共鳴現象に関する研究
Project/Area Number |
25600090
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
平松 和政 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50165205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 秀人 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70209881)
元垣内 敦司 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00303751)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 表面プラズモン / 化合物半導体 / 金属薄膜 / ワイヤーグリッド偏光子 / センサー |
Research Abstract |
本研究は、紫外、可視、赤外で優れた発光材料の窒化物半導体と、ナノ金属粒子表面の微小空間内に増強電磁波を閉じ込め可能な局在表面プラズモン共鳴現象(LSPR)とを融合し、深紫外領域における新規の光物性を見出し、及び光デバイスを開拓することである。本研究の目的は下記の通りである。① AlNステップ制御エピタキシーによりステップ端に10 - 30 nmのAl粒子を形成すること、② 窒化物半導体上で深紫外光(波長250nm以下)のLSPRをはじめて実証すること、③ 深紫外領域での新規光デバイスの可能性を探索し、次期の開発研究につなげること。本年度は、可視光領域(波長635nm)での表面プラズモン現象を確かめるため、GaP基板上に堆積したAu表面に付着した媒質を検出する表面プラズモンセンサーと、金属ナノスリットによる異常透過現象を利用した2層型ワイヤーグリッド偏光子の作製と評価を行なった。 GaP基板上に堆積したAu薄膜による表面プラズモンセンサーの作製に関しては、従来からあるガラスプリズムによるクレッチマン配置では測定が困難であった屈折率が1.5以上の媒質(本研究では、屈折率1.55の2,4-ジクロロトルエン)の検出に成功した。 2層型ワイヤーグリッド偏光子の作製においては、適切な周期、レジスト膜厚、Au膜厚を設計することによりワイヤーグリッド側面から入った光による表面プラズモン共鳴により、ある特定の角度で異常透過現象が発生し、TM偏光の透過率が高くなり、消光比30dB程度の偏光特性を得ることができた。 このような成果を生かし、AgやAlを用いて更に短波長の可視光線や近紫外光線の表面プラズモン共鳴現象について調べていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
可視光領域での半導体基板を用いた表面プラズモン共鳴、周期構造による異常透過現象を観測することができた。今後は金属としてAgやAlを用いることで、短波長の可視光や近紫外光の表面プラズモン共鳴の観測に、近年度得られた成果を活用する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に得られた化合物半導体基板上でのAu薄膜による伝搬型表面プラズモン共鳴や、ガラス基板上への周期構造を有する2層型ワイヤーグリッド偏光子の成果を活用し、AgやAlを用いて短波長の可視光や近紫外光の表面プラズモン共鳴の観測を行なう。
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Research Products
(14 results)