2014 Fiscal Year Annual Research Report
金属窒化膜/Ⅳ族半導体ナノ界面制御による超低電子障壁コンタクトの創製
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25600101
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中島 寛 九州大学, 産学連携センター, 教授 (70172301)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 界面 / 低電子障壁 / パワーデバイス / Si |
Outline of Annual Research Achievements |
金属/半導体コンタクトに於いては、フェルミレベルピンニング(FLP)現象が生ずるため、コンタクト抵抗を金属の仕事関数によって低減しようとするアプローチには限界がある。研究代表者は、金属窒化膜であるTiNをGe上にスパッタ堆積すれば、界面層が形成されてFLPの位置が伝導帯側に大きく変調することを見出している。本研究では、4族金属窒化膜(TiN、ZrN、HfN)に注目し、Si、SiCに対して低電子障壁コンタクトの実現を目指している。H26年度に得られた成果は以下の通りである。
1.Si上に4族金属窒化膜(TiN、ZrN、HfN)をスパッタ堆積したコンタクトおよび4族金属(Ti、Zr、Hf)をスパッタ堆積したコンタクトの電気特性を調査した。4族金属/Siコンタクトの電子障壁高さは、報告値と良く一致する。一方、4族金属窒化膜/Siコンタクトの電子障壁高さは、金属/Siコンタクトに比べて著しく低いことを見出した。この機構解明のため、界面層の構造解析を実施している。 2.TiN/n+-Siコンタクトのコンタクト抵抗率をcircular transmission line model (CTLM)を用いて調査した。n+層の濃度は3E20 cm-3で、P拡散により作製した。得られたコンタクト抵抗率は5E-5 Ω・cm2で、Al/ n+-Siの場合(2E-7 Ω・cm2)に比べて2桁大きいことが分かった。これは界面層の抵抗が高いことを意味する。 3.4H-SiC上にTiNをスパッタ堆積し、その電気特性を調査した。SiCのSi面に堆積した場合、整流性を示し、電子障壁高さは0.96 eVであった。一方、C面に堆積した場合、オーミック特性を示したが、ON抵抗が高い結果となった。これは、CとTiNが反応して形成される界面層の抵抗が高いためと考えられる。
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Remarks |
九州大学産学連携センター中島研究室
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