2014 Fiscal Year Annual Research Report
トポロジカル変換を用いた縮退四光波混合分光の多次元化
Project/Area Number |
25600105
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
戸田 泰則 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00313106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 智 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10221722)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 光物性 / 縮退四光波混合 / 光渦 / トポロジカル変換 / 励起子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、超短パルス光のトポロジカル変換を用いた新しい縮退四光波混合(FWM)分光を構築し、半導体励起子の時空間ダイナミクス(軌道角運動量ダイナミクス)や多体相関に関する新規物性を明らかにすることを目的としている。今年度はトポロジカル変換を用いた(1)励起子空間コヒーレントダイナミクス観測、(2)面発光レーザーの軌道角運動量制御、および(3)励起子相関ダイナミクス観測を行い、以下の知見を得た。 (1)励起に用いるLG光の軌道角運動量が励起子モード緩和の違いをもたらす要因を明らかにした。軌道角運動量は方位方向に制限が加わることにより広がりを示す。したがって励起子のモード緩和は方位方向の散乱や欠陥を反映する。このことを理論計算と実験結果の比較を通して明らかにし、励起子重心運動が散乱や欠陥に対してロバストであることを示した。 (2)(1)で示された励起子重心運動のトポロジカルな性質はデバイス応用上きわめて有効である。昨年度に引き続き、半導体レーザーの発振横モードに対して軌道角運動量制御を試みた。発振しきい値付近において光帰還による横モードの顕著な変化が観測された。その特性は利得変化と対応すること、変調方式による依存性から発振モードの軌道角運動量は方位方向の位相変化にしたがってシフトすることを明らかにした。 (3)異種励起子の同時励起において量子ビート信号が観測されるが、通常、軌道角運動量の異なる重心運動に対して大きな変化は見られない。しかしながらLG光による単一モード励起の場合、散乱等に起因する軌道角運動量の広がり成分に位相の異なるビート信号が検出される場合があり、これがモード変化を引き起こすことを明らかにした。軌道角運動量に広がりを与える散乱成分は空間的に局在しているため、その周囲では多体相関が顕著になる傾向が示された。
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Research Products
(10 results)