2014 Fiscal Year Annual Research Report
画像入力可能な位相共役鏡を用いたモード多重伝送技術の開拓
Project/Area Number |
25600110
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
黒川 隆志 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (40302913)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 康博 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50236189)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | モード多重 / 位相共役 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,光インターコネクションの広帯域化をねらいとして,マルチモードファイバの持つ多数の伝播モードを利用したモード多重伝送の新しい方法を提案することを目的とする. 単に光パターンをマルチモードファイバに入射するだけでは,伝播中にモード毎に異なる位相歪みが発生することにより,光の波面が乱れて正しくパターンを再生することはできない.そこで,伝播中に生じるモード毎に異なる位相歪みを補償するために,位相共役鏡を使用した光波面の補償を提案した.具体的には,電気入力型空間変調器(LCOS-SLM)とCMOSイメージセンサを用いたハイブリッドな波面補償光学系と,光書き込み型空間変調器からなるモノリシックな波面補償光学系の2つの構成について検討した. マルチモードファイバを伝播して歪んだ光の波面と,単一モードファイバからの光とを干渉させてCMOSイメージセンサに干渉縞を記録する.これを電気入力型空間変調器に表示することで,共役光が再生されマルチモードファイバに戻る.マルチモードファイバの入射端で補償された光のビームパターンを検出することで,モード多重を確認することとした.まず,単一モードファイバ光学系によって,干渉縞の評価と共役光発生の確認実験を行い,十分なコントラストの干渉縞が得られることを確認した.しかし,光学系の精密調整が不十分なことがわかり,共役光のファイバへの結合には到らなかった. 一方,光書き込み型空間変調器からなるモノリシックな波面補償光学系については,強誘電性液晶とアモルファスシリコン光導電体からなる空間変調素子を試作した.このデバイスについて,読み出し光に対する変調光の応答特性,画像書き込みの検証,干渉縞の書き込み特性などの基本特性を確認し,空間変調器として動作することを確認した.今後,共役光発生確認を行うとともに,モード多重伝送の原理確認実験を行う予定である.
|