2013 Fiscal Year Annual Research Report
フォノン波束の生成・伝播の時間・周波数実時間イメージングと量子制御
Project/Area Number |
25600113
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
武田 淳 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (60202165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 幸志 独立行政法人産業技術総合研究所, 電子光技術研究部門, 研究員 (50392684)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | フォノンポラリトン / イメージング / 量子制御 / フェムト秒 |
Research Abstract |
本研究では、ミクロンオーダーの精密なステップ構造を持つ反射型エシェロンを加工・作製し、それを用いてプローブ光に空間的な時間差を付け、高時間分解、スポット集光、広帯域、シングルショット検出すべてを満たすフェムト秒広帯域シングルショット実時間イメージング分光法を構築する。また、マイケルソン干渉型光学系によるダブル励起パルス或いは空間位相変調器により波形整形した励起パルス列を用い、強誘電体・グラフェンの格子振動を非線形かつ非調和に励振し、それに伴う光子・格子、電子・格子結合ダイナミクスを明らかにする。強誘電体結晶においては進行及び後退するフォノンポラリトン波束の伝播、グラフェンにおいては2重共鳴ラマン過程により生成されたナノスケールフォノン波束の伝播の時間・周波数実時間イメージングを行い、それらのコヒーレント制御を実現する。 本年度、グラフェンにおいては、7.5フェムト秒パルスを用いたコヒーレント分光により、ナノスケールのDモードフォノン波束がグラフェンのK点近傍の線形分散を反映して、光学フォノンとしては極めて高速でグラフェン表面上を伝播することを見出した。しかしながら、空間位相変調器によりパルス波形整形技術を構築できたが、現時点での時間分解能は~20フェムト秒程度であり、Dモードフォノン波束のコヒーレント制御までには至っていない。 一方、強誘電体LiNbO3においては、誘導ラマン過程により励振した進行・後退するフォノンポラリトン波束をダブルパルス励起により量子制御することに成功した。また励起密度を上げることにより両者間に非調和性が発現し、基底状態を介した量子相関が現れることを見出した。
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