2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25600117
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
李 艶君 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50379137)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 近接場光 / AFM / 原子スケール |
Research Abstract |
1)カンチレバーの変位検出計の高感度化 近接場光を高感度に測定するため、カンチレバーの変位検出計(光ファイバ干渉計)の低ノイズ化を実現した。具体的には、現有の変位検出計では、光源のモードホップノイズにより検出感度が制限されているので、半導体レーザに高周波変調を重畳することによりモードホップノイズを低減し、変位検出計の低ノイズ化を実現した。 2)カンチレバーの小振動動作・高周波化による高感度化・高分解能化 従来のカンチレバーに比べて、ばね定数が大きく、共振周波数の高いカンチレバー(k=2,000N/m, f=2MHz)を導入し小振動、振幅(0.1nm程度)での動作を実現した。この結果、探針・試料間の相互作用時間が長くなることにより、周波数シフトが増大し、力の検出感度が向上した。短距離力に対する感度が向上し空間分解能も向上した。 3)バックグランド光を低減した光照射系の実現 近接場光を高分解能に検出するためには、バックグランド光を低減した光照射系を実現することが重要である。そこで、光学レンズやプリズム表面での不要反射が極限まで低減するように現有の装置の照射光学系を改良した。なお、照射光源としては、現有の青色半導体レーザ(波長440nm)を使用した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
25年度の計画以上を順調に進んでいる。 以下の計画を実現した。 1)カンチレバーの変位検出計の高感度化(低ノイズ)を実現した。2)カンチレバーの小振動動作・高周波化による高感度化・高分解能化を実現した。短距離力に対する感度が向上し空間分解能も向上した。3)バックグランド光を低減した光照射系を実現した。 また、4)近接場光による力の高精度測定を実現した。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の研究計画で推進する。 1)近接場光の最適観察条件の実験的検討 近接場光を最も高感度に測定するための条件を実験的に検討する。具体的には、周波数シフト曲線(周波数シフトの探針・試料間距離依存性)を測定し、次に、これを数値計算により力曲線に変換し、さらに、様々な振動振幅に対する周波数シフト曲線を導出する。この周波数シフト曲線に対する信号対雑音比を求め、感度の良くなる観察条件を求める。 2)近接場光の原子分解能観察の実証 物質表面の構造、局在する近接場光の強度分布を原子スケールで観察できることを実証する。ここで、試料としては、原子的に平坦なサファイア(α-Al2O3)表面や、その上に吸着させた金属微粒子などを取り上げる。なお、この観察には原子レベルで清浄で平坦なAl2O3(0001)表面を用いる必要があるが、バルクのサファイアを超高真空中で加熱することにより準備する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
会計上で発生した金額である。 消耗品で使う。
|