2014 Fiscal Year Annual Research Report
ペルチェ冷却を凌駕するトムソン効果を応用した固体冷却素子の創出
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25600128
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮崎 讓 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40261606)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | トムソン効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
キャリア濃度が連続的・かつ指数関数的に変化した固体を合成し、トムソン効果を利用した高効率バルク冷却素子の実現に向けた基礎条件を検討した。昨年度に行った電解析出に代わり、今年度はマンガンケイ化物のマンガンサイトを鉄で部分置換した試料を合成し、組成の異なる8試料を積層させて放電プラズマ焼結を行い、傾斜組成試料の合成を行った。また、参照試料として組成傾斜の無い無置換マンガンケイ化物を併せて合成し、同様な測定実験を行った。 得られた試料に直流電流を流し、得られる起電力および温度変化を詳細に調べたところ、同一条件で測定したより大きな起電力の発生を確認した。また、両試料における温度変化の有意な差は認められなかった。しかし、これが試料周辺の温度の不均一分布に基づくゼーベック効果による起電力なのか、あるいはトムソン効果によるものかを判定できる証拠をつかむことは困難であった。 両試料の測定データを詳細に検討したところ、温度差が無くても起電力が生じる現象が認められた。示差熱電対の誤差に起因する影響を除去するために、試料の向きを逆にして同様な測定を行っても同等の起電力が生じたことから、温度差が存在しない条件でも起電力が生じる有意な証拠を掴んだ。今後、より緻密な実験によりこの現象の原理を明らかにすることができれば、温度差不要の新たな熱電変換技術の発展に繋がる可能性がある。本来の目的とは異なるが、この方面の実証実験も行う必要がある。
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