2015 Fiscal Year Annual Research Report
自由電子レーザーの高度化に向けたテラワットレーザー光共振器の開発
Project/Area Number |
25600146
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
本田 洋介 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教 (40509783)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | レーザー / 加速器 / 自由電子レーザー / 共振器 |
Outline of Annual Research Achievements |
線形加速器による放射光源技術の高度化によって、自由電子レーザーの性能は飛躍的に向上している。特に近年は、レーザー光を組み合わせて変調を導入する、シーディングの技術の研究が盛んである。高繰り返し連続運転による平均強度の増強が次に求められているが、この為には、加速器の連続運転と、高強度レーザーの連続運転が必要になる。加速器については、開発が進んでいる超伝導加速空洞を利用したエネルギー回収型のシステムによって実現が可能である。レーザーについては、光共振器の技術を利用することによって、限られた励起エネルギーによって生成されるパルス列を蓄積することが出来る。本研究はこの為のレーザー蓄積装置の開発である。 特に、短いパルス時間幅のパルス列を高い増大率で蓄積するには、CEPの制御など、いくつかの工夫が必要である。ファイバーモードロックレーザー発振器を製作し、AOMを用いた変調機構によるCEP制御を導入した。これを高反射率鏡で構成した共振器へ入力した。共振器の共鳴を観測した信号から、CEPが制御出来ている事を確認した。発振器には高速の制御を可能にするようにEOMを内蔵する改良を行い、高増大率で狭い共鳴幅の共振器をマイクロ秒の時定数で高速フィードバック制御出来る事を確認した。 また、本研究を進めるなかで、発振器に蓄積された高次モードの縦電場を用いて電子ビームにエネルギー変調を与えるシステムを提案し、実際に既存のレーザー共振器を用いて高強度高次モードレーザーを蓄積する実証試験も行った。 並行して、ERL加速器におけるビーム制御についても、連続運転FELを念頭においた調整を行った。短バンチで連続運転の実証試験を行い、その性能を電子ビームからのテラヘルツ放射によって確認した。
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Research Products
(7 results)