2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25600155
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
山田 貴博 横浜国立大学, 環境情報研究院, 教授 (40240022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 和己 横浜国立大学, 環境情報研究院, 准教授 (00377110)
緒方 正人 横浜市立大学, 医学研究科, 客員教授 (70501154)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生体力学モデル / 腹腔 / 膜・網組織 / 非圧縮超弾性体 / 膜要素 / 接触 / 非線形有限要素法 |
Research Abstract |
手術支援の基盤となる腹腔内組織全体を表現した力学モデルを構築することが本研究課題の目的である.腹腔内組織において,臓器は基本的に膜・網組織によって腹壁に固定されている.したがって,腹腔内組織全体の変形を再現するための有限要素解析解析では,腹腔における臓器の膜・網組織による力学的な支持状態を考慮することが鍵となる.平成25年度は,まず腹腔内組織変形の有限要素解析において膜・網組織の力学的モデル化手法の開発に取り組んだ. 軟組織の力学的挙動を表す材料モデルについては,生体の分野では一般的となっている非圧縮超弾性体を適用した.臓器については,研究代表者が開発した圧力安定化四面体1次ソリッド要素を用いた.一方,膜・網組織については,幾何学的には厚さの小さい曲面構造と考えられ,材料剛性も小さいことから,曲げ変形を考慮しない膜要素を用いることとした.当初計画では,異方性連続体としてモデル化することを想定していたが,後述する臓器と膜・網組織との接触状態を表現するため,モデルの変更を行った.要素としては三角形1次要素を適用した.また,膜・網組織の観察からは,これらの内部には初期張力が導入されているものと考えられ,構造全体で自己釣り合い状態が満足される初期張力導入手法を開発し,膜要素に適用した.さらに,臓器と膜・網組織は固着状態ではなく,滑りが許容される接触状態としてモデル化することが適切であると考え,臓器と膜・網組織の間にピンボールアルゴリズムによる摩擦無し接触モデルを導入した. 以上の膜・網組織と臓器をモデル化するための数値計算プログラムを開発した.また,3次元CADモデルとして表された腹腔内の内蔵を表す幾何学的モデルを作成し.数値計算手法の妥当性の検証を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は力学的なモデル化の基本的な方針を決定し,それを実現する数値計算プログラムの開発が達成目標であった.当初計画とは膜・網組織の取り扱いは異なる手法を用いることとなったが,膜・網組織の力学モデルにおいて重要と考えられる初期張力と臓器との接触状態の表現については実現できた.また,このような力学モデルを計算可能な数値計算プログラムの開発もほぼ終了した.したがって,研究は概ね順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画どおり力学的なモデル化の手法とそれを実際に計算するための数値計算プログラムの開発がほぼ終了しており,平成26年度は具体的な患者固有データに基づく有限要素モデルの作成手法の開発にに着手する.また,並行して平成27年度に予定している内贈等の物性値の同定手法開発の準備も行う予定である.
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Research Products
(3 results)