2015 Fiscal Year Annual Research Report
反シンプレクティック正則対合を持つ実K3曲面とその退化
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25610001
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
齋藤 幸子 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (40260400)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | K3曲面 / エンリケス曲面 / 非ハウスドルフ / モジュライ空間 / 周期領域 / 格子 / (-2)ベクトル / 反シンプレクティック正則対合 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年8月,「第3回K3曲面・エンリケス曲面ワークショップ」を北海道教育大学札幌駅前サテライトで実施し,K3曲面,エンリケス曲面の先端の研究をする研究者たちが集合して,研究発表,概説講義および討論を行った.このワークショップは2013年度に第1回を実施したが,本研究課題の研究期間中,毎年開催することができ,今後も継続する予定である.研究発表の講演者は,内海 和樹氏(立命館大学),那須 弘和氏(東海大学),渡辺 究氏(埼玉大学),山木 壱彦氏(京都大学),真瀬 真樹子氏(首都大学東京),伊藤 裕貴氏(名古屋大学),池田 京司氏(東京電機大学),月岡 透氏(東海大学),渡邉 健太氏(大阪大),鍬田 政人氏(中央大学)であった.今年(2015年)度は,ファノ多様体の研究者も参加して有意義な情報交換ができた.19日午後から21日にかけては,大橋久範氏(東京理科大学)を講師とし,K3曲面の基礎知識も含む勉強会を行った.テーマは,K3曲面の定義と基本的性質, K3曲面の族と周期領域,非ハウスドルフなモジュライ空間,偏極K3曲面のモジュライ空間,K3曲面の倉西空間,2-elementaryK3曲面(=反シンプレクティック正則対合をもつK3曲面)の分類への応用,実2-elementaryK3曲面の2次元ホモロジー格子上の(-2)ベクトルなどであった.研究代表者である齋藤幸子(北海道教育大学旭川校)は,実K3曲面の分類に関する現在の諸問題について解説した.大橋久範氏から非常に有益な助言を受け,昨年度出版された論文「On real anti-bicanonical curves with one double point on the 4-th real Hirzebruch surface, Journal of Singularities (2015/01), volume 11, pp.1--32」において未解決であった「補題の逆主張」の証明の完成に向けて大きく前進した.11月には名古屋大学滞在中のV.Nikulin氏(リバプール大学)のK3曲面に関する最新の研究発表を聴講し,今後の研究の参考とした.
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Research Products
(1 results)