2015 Fiscal Year Annual Research Report
群作用に基づく確率過程・統計分布研究と表現論の新展開
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25610006
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
若山 正人 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (40201149)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 群作用 / 統計(情報)多様体 / Meixner-Pollaczek過程 / 等質空間 / 正規分布モデル / 楕円分布モデル / 対称錘 |
Outline of Annual Research Achievements |
多変量正規分布モデルやt-分布、コーシー分布などを含む統計多様体の重要例である楕円型モデルに関し、測地線の明示的記述の観点からの研究方向を定めるとともに、その微分幾何学的研究に挑んだ。このことは、このような統計多様体がなすリーマン等質空間のリーマン対称空間への埋め込みに関する研究を促すことになったが、本研究期間中には決定的な成果は得られなかった。ただし一方で、正規分布モデルに関しては、この方向の研究を博士後期課程の学生である井上公人が進め、Eriksen の1987の論文に触発され、研究代表者らが2011年に特別な場合の考察を行い open problem としていた問題である、正規モデル上の測地線の初等的だが mysterious な Eriksen の構成について、その意味をリーマン対称空間(とくに対称錘)の Riemann submersion を用いて明らかにした。 また、多変数の Meixner-Pollaczek 多項式をエルミート対称錘の枠組みで構成、その性質を明らかにし、レビ過程の一つである、多変量 Meixner-Pollaczek 過程(空間変数、時間変数ともに多変量となる)の研究の土台を築いた。
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